新年、あけましておめでとうございます!
心機一転、新しい事に挑戦しようとしている方もいるかと思います。
今回は投資をするうえで必要な知識である「金融緩和」について考えます。
金融緩和とは
金融緩和とは、中央銀行が景気浮揚を促すために実施する金融政策です。
景気悪化の局面で政策金利を引き下げたり、資金供給量を増やしたりすることによって、投資や消費などの経済活動を促します。
簡単に言うと、市場に出回るお金を増やすという事です。
金融緩和の方法
①政策金利の引き下げ
政策金利とは、中央銀行(日本銀行)が金融機関に貸し出す金利のことです。
政策金利を引き下げることで、金融機関から企業や個人への貸出金利も低下します。
これにより、企業や個人は資金を借りやすくなり、投資や消費などの経済活動が活発化します。
日本銀行が金融機関に貸し出す金利を下げた場合、貸出金利を下げても、金融機関は利益を得る事も出来ます。
企業や個人も低金利であれば、お金を借りやすくなります。
借りたお金で設備投資や消費に回すことで経済をまわすという考えです。
②資金供給量の増加
中央銀行(日本銀行)が金融機関から国債や株式などを買い入れることによって、市場に資金を供給します。
これにより、金融機関の資金余剰が増加し、貸出金利の低下が促されます。
日本銀行が金融機関から国債や株式を購入することで、金融機関にはお金が余ります。
金融機関はお金を貸し出すことで利益を得ることが出来ます。
他の金融機関もお金を貸したいと考えるので、銀行間同士で競争が起き、貸出金利が低下します。
③預金準備率の引き下げ
預金準備率とは、金融機関が受け入れた預金等の一定比率を、無利子で中央銀行(日本銀行)に預け入れなければならない割合のことです。
預金準備率を引き下げると、金融機関は、より多くの資金を貸し出すことができるようになります。
こういった方法で中央銀行(日本銀行)は市中に資金を供給しています。
金融緩和のデメリット
①物価の上昇
市中に回るお金が増えると、消費などが活発になります。
買いたい人が増えると、需要と供給の関係からが上昇します。
②通貨安
市中に回るお金が増えると、外貨と比較すると通貨安になります。
金融機関からすれば、中央銀行から資金が供給されているのに、預金金利を上げてお金を集める必要がないわけですから、
預金金利は下がります。円で預金するより、外貨で預金した方がよいので「外貨高円安」につながります。
また、「円安」になった場合は「輸入商品」も値上がりします。
「1ドル=100円」で輸入できたものが「1ドル=110円」になった場合、10円の利益を得るには120円で売る必要があるからです。

FPとしての主観
今回は「金融緩和」について考えてみました。
日本は長く金融緩和を続けています。
日本は「石油」などの資源がなく、「資源」を輸入して「加工」する。
観光地として外国人観光客を増やす。
といった、物作りの得意な国です。「円安」は外国からすれば「日本の商品」を安く買えます。
つまり、企業が世界で競争するには「円安」はメリットがあります。
ですが、賃金の上昇が見込めない現状では国民にとって「物価の上昇」はデメリットです。
特に食糧自給率が低く、多くを「輸入」に頼っていることも一因です。
現状ではデメリットの方が大きいと感じますが、今年の日銀は金融引き締めに舵を切るのでしょうか。