今回は「円高」と「円安」のメリット、デメリットについて考えていきます。
「円高」と「円安」とは
日本国内では「円」で取引されますが、アメリカは「ドル」で取引されています。
外国に旅行に行く際は、その国で取引されている通貨に両替を行います。
「円高」「円安」とは、「円」と「外貨」の交換レートによって決まります。
「1ドル=100円」から「1ドル=50円」に為替レートが変動することを「円高」といいます。
(「100円=1ドル」から「100円=2ドル」と考えると、円の価値が上がる=「円高」)
逆に「1ドル=50円」から「1ドル=100円」に変動する場合を「円安」といいます。
(「100円=2ドル」から「100円=1ドル」と考えると、円の価値が下がる=「円安」)
※日本では為替レートを基軸通貨である「米ドル」を基準としているため、「円高・円安」の表現が難しいですが、
「円」の立場から考えるとわかりやすいと思います。
「円高」のメリット・デメリット
【メリット】
輸入品が安くなる
海外旅行が安くなる
輸入品が安くなると、消費者の購買力が高まり、国内消費が活発になります。
また、海外旅行が安くなると、海外旅行者の増加が見込まれます。
例えば、仕入価格「1ドル=100円」で輸入していた商品が「1ドル=50円」で輸入できる場合は、
販売価格は相対的に安くなります。
【デメリット】
輸出企業の収益が減少する
これは、円高になると輸出品の価格が海外で高くなるためです。
例えば、「1ドル=100円」で売ってた商品を「2ドル=100円」で売る必要があります。
輸出企業は外国での自社商品の販売に影響が出るため、収益の減少につながります。
「円安」のメリット・デメリット
【メリット】
輸出企業の収益が増加する
円安になると輸出品の価格が海外で安くなるためです。
海外では「2ドル=100円」の商品が「1ドル=100円」で購入できることから、購買意欲が上昇につながり輸出企業の収益が増加します。
【デメリット】
輸入品が値上がりする
海外旅行が割高になる
輸入品が値上がりすると、消費者の購買力が低下し、国内消費が鈍化します。
また、海外旅行が割高になると、海外旅行者の減少が見込まれます。

FPとしての主観
「円高」「円安」を決める為替レートは様々な要因で決定されます。
一番わかりやすいのは、金利差による為替レートです。
例えば、同じ金額のお金を預けたとして「ドル」で預ければ0.25%の金利、「円」で預ければ0.01%の金利であるとすれば
間違いなく「ドル」で預ける人が増加します。「ドル」の需要が高まることから「円安ドル高」となるわけです。
日本は資源がない国ですので、古くから資源を輸入して、加工して輸出することから「円安」が企業にとって良いと考えられています。
というのも、企業の収益が上がれば、働く人の給料が上がるとの考えがあるからです。
とはいえ、現実では給料は上がらず物価の上昇が国内経済に悪影響を及ぼしています。
企業の業績が上がっても、内部留保に回す場合が多いのも一因です。
また、日本の食料自給率が低く、海外からの輸入に頼っているため「円安」が物価の上昇の一因となっている面もあり、生活は苦しくなる一方です。行き過ぎた「円安」は経済に悪影響を及ぼすのですが、金利をあげて「円高」にしようとすると「変動金利」で住宅ローンを組んでる人々に大きな影響を与えるので、日銀は動けないのかなと素人目線で考えています。
※住宅ローンを変動金利で借りていると、金利が1%上がると単純計算で年間の返済額が100万円当たり1万円増加します。
住宅ローンの残債が2,400万あると月に2万円の返済額の増加です。給料が上がっていなかったら、マイホーム売るしかないですよね。