悪役探しか、魔女狩りか。-学術会議を巡る毎日&琉球新報社説


 後継する「弊ブログの学術会議問題関連記事」は、主として朝日や毎日はじめとする「アカ新聞どもの社説」を題材に、同問題に基づく現政府・管政権批判を分析し結果として揶揄している「シリーズ記事」だ(*1)

 詳細は先行記事を読んで頂くとして、私(ZERO)が「学術会議問題を非難するアカ新聞社説を揶揄する」理由は、「アカ新聞社説の学術会議会議問題非難理由が、首尾一貫せず、支離滅裂であり、オマケに真面な「非難理由」が殆ど無く、希にある”(まだ)真面な非難理由”は実にみみっちい些事でしか無く、あまつさえ当初アカ新聞(とバカ野党と当の学術会(の一部?)自身)が挙って非難理由とした「学問の自由の侵害」とは全くと言って良い程に無関係だから、である。

 その「アカ新聞どもの“学術界「問題」非難理由”」は、わずか1カ月ばかりの間に、大凡以下のように変遷したようだ。

 (1) 学問の自由の侵害だ!


⇒(2) 違法だ!


⇒(3) 首相答弁が矛盾している(*2)!/説明不足だ!

 無論、先行記事にした東京新聞のように上記(1)へ「原点回帰(*3)」したかに見せかけて、翌日あっさりすっかり上記(2)「違法だ!」に宗旨替えしてしまった例さえある。こんなのは、新聞社という組織だから「内部分裂でも抱えているのだろう」と、好意的に解釈できるが、一個人ならば精神状態が疑われるような事象だ。

 でまあ、「かくてはならじ。」と思う、のだろうな。下掲社説に見る通り、「学術会議“問題”は、新たな局面を迎えた」のかも、知れない・・・ろくな局面じゃぁ、なさそうだが。

  • <注記>
  • (*1) あくまでも「揶揄している」のは、結果である【強く断言】。揶揄するしか無いような、しょうもない「学術会議問題追及」しか、野党もマスコミもしないから、そうなっている、だけである。 
  •  
  • (*2) で、その「矛盾」の中に、朝日新聞が社説で掲げた「首相の自著の記述に反する!」という、実に尤もらしいが、違法でも規則違反でも内規違反でも無く、ある意味「管首相の良心の問題」でしか無い非難理由がある、訳だ。 
  •  
  • (*3) そのくせ、先行記事にした通り、「過去の学問の自由侵害」事例を列挙するばかりで、本「学術会議問題」が「学問の自由の侵害である」事は、全く論証されていない。印象操作にしたって、下手くそ過ぎないか? 


 

①【毎日社説】学術会議の任命問題 杉田長官の国会招致を

学術会議の任命問題 杉田副長官の国会招致を

 

  

https://mainichi.jp/articles/20201106/ddm/005/070/111000c

 

毎日新聞2020年11月6日 東京朝刊

 

学術会議任命拒否

 

 日本学術会議から推薦された会員候補のうち6人が任命されなかった問題で、菅義偉首相の要を得ない国会答弁が続いている。

 

 なぜ任命しなかったのか。

 

 肝心な点について、首相は「人事に関することで答弁は差し控える」と繰り返している。

 

 その一方で、事務方トップの杉田和博官房副長官から事前に6人を除外するとの報告を受けていたことも明らかにしている。

 

 これまで首相は、会議が推薦した105人の名簿は見ていないと説明してきた。しかも、杉田氏は安倍晋三前政権時代から学術会議の人事に介入してきたことが分かっている。

 

 それを踏まえれば、今回の経緯や手続きについて、国会で杉田氏に説明を求めるのは当然だ。

 

 にもかかわらず、野党が杉田氏を参考人として国会に招致するよう求めているのに対し、自民党は拒んでいる。何を恐れているのか。政権の姿勢は理解に苦しむ。

 

 首相と同様、自民党も学術会議の組織見直し議論には熱心だ。だがなぜ6人を外したのか。政府の方針に異論を唱えたからではないのか――。これがはっきりしない限り、次の議論には進めない。

 

 首相は「私の判断」と強調している。ところが6人のうち5人は名前も知らず、著作なども読んでいなかったと、あっけらかんと答弁したのにも驚く。

 

 個別人事の理由は説明しないと言うが、首相の自著には、かつて総務省課長を更迭した際の理由を述べた文章がある。

 

 その記述との矛盾を野党に突かれた首相は「今回の任命権とは全く違う」と答えた。しかし、どう違うかの説明はできず、迷走に拍車をかけた。

 

 加藤勝信官房長官は唐突に「国民・国会への責任が負えない場合」は拒否できるとの判断基準を示した。だがこれも「6人を任命したら国民に責任は負えないのか」と追及されると、再び「個別の人事」を理由に答えなかった。

 

 野党からは「もはや支離滅裂だ」と批判される始末だ。

 

 かねて首相は「国民にとって当たり前のことをする」のが信条だと語ってきた。国会が役割を果たすためには杉田氏の国会招致こそ当たり前のことであるはずだ。

 

②【琉球新報社説】学術会議予算委論戦 杉田氏の招致しかない

2020年11月6日 06:01

社説

 

 その場しのぎを重ね、支離滅裂が際立ってきた。日本学術会議の会員任命拒否を巡る菅義偉首相の説明だ。

 

 2、4日の衆院予算委員会で任命拒否の理由や根拠を問われた菅首相は、官僚の準備したペーパーの棒読みが目立ち、論点ずらしに終始した。首相自らの言葉で国民への十分な説明ができないことが明確になった以上、任命除外に関わる杉田和博官房副長官を国会に招致して真相を明らかにするしかない。

 日本学術会議法は会員について、学術会議の「推薦」を踏まえ内閣総理大臣が「任命」すると規定している。1983年に当時の中曽根康弘首相は「政府が行うのは形式的任命にすぎない。学問の自由独立はあくまで保障される」と国会答弁しており、学術会議が政府から独立した存在であることを認めている。

 

 ところが、菅首相は「推薦された方をそのまま任命する前例を踏襲していいのかを考えた」と、任命拒否を正当化した。拒否した理由については「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を求める観点」と述べるだけで、詳細な説明を避けた。

 

 政府は今になって、首相が任命拒否できる根拠として、18年に内閣府が内閣法制局と協議した内部文書があることを公表した。公務員の地位などを定めた憲法15条に基づき、学術会議会員も推薦通りに任命しなくてもよいというのがその理屈だ。

 

 しかし、国民や国会への説明もなく秘密裏に法解釈を変更していたとすれば、法治国家を否定する重大な事態だ。加藤勝信官房長官は「解釈に変更を加えたものではない」と釈明するが、83年の答弁と齟齬(そご)はないというのはどう捉えてみても強弁だ。

 学術会議法違反を追及された菅首相は「七つの旧帝国大学に所属する会員が45%を占めている」と今度は会員構成の偏りを持ち出し、学術会議全体の在り方に議論のすり替えを図った。だが、任命拒否した6人のうち3人は私大の所属であり、首相が言う会員構成の「多様性」という説明と矛盾を来すこととなった。

 

 衆院予算委は首相就任後初の一問一答形式の質疑となり、国民の疑念に対する丁寧な説明があるのかが注目された。しかし、首相は「個々の任命理由は答えを控える」の一点張りで、論戦に正面から向き合わない姿勢は変わらなかった。官僚の助け船や加藤官房長官が答弁に立つ場面も目立った。首相の答弁能力の低さが明らかになった。

 

 菅首相は推薦名簿を見ていないとし、任命拒否した6人のうち1人を除いては研究や業績を「知らなかった」と答えた。それでは誰がどのような理由で任命を拒否したのか、疑問はより深まった。

 

 日本学術会議の独立性は憲法23条が保障する「学問の自由」と結び付いている。会員人事を通じて学問の自由に介入することは許されない。徹底した真相の解明が必要だ。

 

(4)「犯人を捜せぇ!」  らしい。

 ま、章題で言いたいことはほぼ言い尽くしているな。前述の(1)「学問の自由の侵害」とも(2)「違法だぁ!」とも、殆ど関係なくなって(3)「首相の国会答弁は説明不足だ!」の一部である「任命拒否した理由を説明しろ!」の発展型で、誰がこの6人の任命拒否を決めたんだぁ!が上掲毎日&琉球新報の新たな「学術会議”問題”非難理由」であるらしく、分けても杉田副長官をその「犯人」として、国会招致しろ、と言うのが上掲掲毎日&琉球新報社説である。

 森友「問題」で、安倍首相夫人の国会招致を求めたアカ新聞と野党を想起したのは、私(ZERO)だけだろうか。

 仮に任命拒否された6人を選定したのが杉田副長官だとしても、その6人の任命拒否は、管首相の権限及び責任で裁可されたのであろう。その裁可にあたり、任命拒否の理由を杉田副長官(或いは誰にせよ、6人の選定者)は管首相に説明し、管首相がその説明に納得すれば、当該6人の氏名や事績なぞ知らずとも、任命拒否を裁可することは、あり得ることだろう。またそれは/それも、管首相の権限である。
 
 左様に考えれば、管首相が任命拒否された当該6人の氏名を知らないとか、事績を知らないとかを、「矛盾」だの「説明の破綻」だのと、非難される筋合いは無かろう。

 また、任命拒否された6人の選定理由を明らかにし、説明することと、前述の(1)「学問の自由の侵害」とも(2)「違法だぁ!」とも、基本的に無関係である。「納得のいく理由」があれば「学問の自由の侵害では無くなる」とか「違法では無くなり、合法になる」とか言う事態は、一寸私(ZERO)の想像を絶している。精々の所が、「違法行為に情状酌量の余地が生じて、刑が軽くなる」程度である。

 逆に言うならば、「違法性」が認められない以上、情状酌量の余地ないし有無を決める(かも知れない)「任命拒否された6人の選定理由説明」は、必要とは言えない。ああ、「国民の知る権利」とかナントカで理屈は付けられそうではあるが、それとて、限度というモノはあるだろう(後述)。
 
 況んや、その選定者が杉田副長官であるか誰であるかも、(1)「学問の自由の侵害」とも(2)「違法だぁ!」とも関係ない。任命拒否を決定し、裁可したのは、他ならぬ管首相であり、管首相は「招致」するまでも無く国会にある/国会にいる。以上お終い、である。
 

  • 極端な話だが単純な話。任命拒否された6人が「中国のスパイと判明した」ならば、どうだろう。

 別に中国で無くても「外国のスパイ」ならば同じ事なのだが、先ず「スパイと判明したから。」とは公表公言しないだろう。「匂わせる」ぐらいはするかも知れないが、左様に公表公言すると言うことは「スパイをスパイと見破る能力」即ち「我が国の情報収集能力」の一端を曝す事になるから、基本はすっとぼけるだろう。誰かが「国民の知る権利」をふりかざしたとしても、だ。国民に知れるようなことは、外国にだって知られるのだから、な。

 また、左様な公表公言は、「名誉毀損」として訴訟沙汰ともなりかねず、裁判となれば「本当にスパイか。スパイであると何故断定できたか。」が裁判で審議されかねない。これは我が国としては不都合だから、尚のこと公表公言しないだろう。

 一方で「中国のスパイ」なり外国のスパイが学術会議にいることも、我が国にとっては不都合だ。「軍事利用を目的とした科学研究」を否定している学術会議だが、我が国の先端技術は扱う事があるのだから。「同意のない性交は違法とする」提言出すばかりが、学術会議では無い・・・筈だ(正直、余り自信は無い。)。

 本来、左様なスパイは、スパイ防止法で逮捕され、軍法ならば確実に銃殺刑。平時の刑法でも最高刑は死刑か終身刑が通り相場の大罪だが、我が国にはスパイ防止法が無い(し、軍法も無い)。「学術会議への任命拒否」は、我が国の現行法に基づく一対策で、あり得よう。それで充分とも、それしか出来ないとも、思わないが。

 無論、「軍事利用を目的とした科学研究」を否定し続けて学問の自由も我が国益も毀損している学術会議にいる「外国のスパイ」が、今回の「任命拒否された6人だけ」と考えるのは、余程のバカか間抜けだけだろう。更に言えば、「任命拒否された6人」以外の現行学術会議メンバが「軍事利用を目的とした科学研究」を否定し続ける事で我が国益を損ねているのだから、「売国奴」とか「国賊」って評価は、あって当然。無ければ不思議だろう。そんな学術会議に戦後この方に近い70年近くも公金税金を投入してきたのだから「日本政府の太っ腹」は、チョイとしたものではないかね。

 で、だ。

 我が国益を損じ、学問の自由を侵害し続けてきた学術会議の始末は別の話として、「任命拒否された6人が、スパイである。」とする仮説は、相当程度に管首相並びに日本政府の今回の対応を「説明できるモノ」であり・・・「学問の自由の侵害だぁ!」と大騒ぎを始めた赤旗含むアカ新聞ども(と、恐らくは野党の一部)の言動も、説明できる仮説であろう。

 陰謀論ってのは俗耳に入りやすく、それ故に警戒しないといけないのだけどね。

 

  • 学術会議問題シリーズ

  • 1.「学問の自由を脅かす!」とは、片腹痛い。ー学術会議人事を巡る各紙社説のトンチンカン  https://ameblo.jp/zero21tiger/entry-12630873289.html
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  • 2.「学問の自由を脅かす!」は、どうしたんだ?ー学術会議人事を巡る各紙社説の推移    https://ameblo.jp/zero21tiger/entry-12632304782.html
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  • 3.モリカケ桜、ガクジュツカイギー管首相国会答弁に対するアカ新聞社説に大笑い https://ameblo.jp/zero21tiger/entry-12635256656.html
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  • 4.「違法だぁ!」とすら言えなくなり、「首相答弁の破綻/矛盾」に切り替えたらしい。ー学術会議問題を巡る各紙社説 https://ameblo.jp/zero21tiger/entry-12636560433.html
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  • 5.「学問の自由侵害」への原点回帰、の筈が・・・【東京社説】憲法と学問の自由 迫害の歴史の果てに +1  
  • https://ameblo.jp/zero21tiger/entry-12636726331.html
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  • 6.悪役探しか、魔女狩りか。-学術会議を巡る毎日&琉球新報社説   本記事