大学学長でも、高校生以下、ってことかね?ー【産経】「PCR検査抑制は日本の恥」 山梨大・島田眞路学長に聞く
先行記事「高校生でもわかる、”全員ウイルス検査は愚挙である”https://ameblo.jp/zero21tiger/entry-12590511247.html」に於いて定量的に審らかにした通り(*1)、未だ世上かますびしい「武漢肺炎ウイルス検査(特に、PCR検査)を全員/希望者全員/広範に多数実施しろ!」と言うのは、愚論にして暴論である。
その理由を掻い摘まんで述べれば、以下のようになる。
(1) 検査には必ず誤差があり、擬陽性も、偽陰性も、発生しうる。
(2) 擬陽性の者と陽性の者とは、このままでは区別が付かないのだから(*2)、両者纏めて何らかの隔離措置が必要である。
(3) 精度が低く、擬陽性を生じる確率が相応に高い検査を多数実施すれば、真の感染者では無く、擬陽性の「本来は治療も隔離も不要な対象者」の数で、医療は崩壊する。
一寸冷静に考えれば、ほぼ自明な事だ。それ故に先行記事では「中学生でも、出来が良ければわかる」とし、その先行記事のタイトルを「高校生でもわかる」としたのは、「エクセルを使ってグラフ化しているから」とも先行記事に記した。
で、「出来の良い中学生以下」の思考しかしない(としか思えない)政治家だとか芸能人だとかスポーツ選手だとか元スポーツ選手だとか、良く判らない肩書きの評論家だとかコメンテーターだとかが、「武漢肺炎ウイルス検査(特に、PCR検査)を全員/希望者全員/広範に多数実施しろ!」と主張する(*3)のは、まあ「バカがバカ曝してやぁがる。」と、看過もしようがあるのだが、中には医者だとか医学博士だとか科学者だとか、「肩書きからは(一応)専門家としか思われない」お歴々(*4)まで、同様の主張をしていたりする。( 無論、こんな愚論にして暴論に組みしない、或いは「愚論だ」「暴論だ」と指摘される方も、居るところには居るのだが。)実に、不思議な話だ。
下掲記事でインタビューに答える、山梨大学学長・島田眞路氏なんてのは、そんな「実に不思議なお歴々」の一人、である。
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<注記>
- (*1) ああ定量的検討ではあるが、数値は仮定に基づいた「あるモデル」でしか無い事には留意すべきだ。以前にも、書いた通り。
- (*2) 何らかの方法(別の検査法とか)で「区別が付く」のならば、ハナっからその「区別が付く」方法で検査するのが、普通だろう。
- (*3) 寧ろ「大合唱している」らしい。私はテレビを基本的に見ないので、よく知らないんだが。
- (*4) あ、「WHOのナントカ」ってのは「肩書きからして、専門家とは言えない。」と断定しよう。何しろ事務局長が、あの体たらくだ。
【産経】「PCR検査抑制は日本の恥」 山梨大・島田眞路学長に聞くPCR検査抑制は日本の恥」 山梨大・島田真路学長に聞く2020/05/07 15:08
新型コロナウイルスの感染拡大防止策や治療をめぐって、山梨大病院(山梨県中央市)の活躍が目立っている。元病院長でもある島田真路学長(皮膚科学)は国立大の学長でありながら、国のPCR検査抑制方針を「日本の恥」と痛烈に批判し、「クラスター(感染者集団)対策より、検査の拡充で感染者を見つけ、隔離を徹底すべきだ」と主張している。その理由を聞いた。(渡辺浩)検査率は途上国並み【Q1】 --なぜPCR検査の拡充を主張するのか
【A1】 「現在、新型コロナを診断する唯一の方法がPCR検査だ。やらないと風邪と区別がつかない。だが、政府の専門家会議は東京五輪開催のためか、当初から検査の積極的活用に否定的だった。だから厚生労働省は検査を事実上厳しく制限してきた。検査より、クラスター対策など感染経路の調査を重視してきた。その後、軌道修正したように見えるが、やはり抑制的だ」【Q2】 --PCR検査は外国と比べてどのくらい少ないのか【A2】 「他の先進国は日本の何倍、何十倍とやっている。そして陽性者を隔離するというやり方だ。陽性者の数や死亡割合が近い国を人口比率で比較したら、日本はパキスタンやアルゼンチンと同じくらいだった。医療体制の劣っている途上国並みということだ」
見過ごされる感染【Q3】 --世界は日本をどう見ているか【A3】 「在日米大使館が4月3日、日本に滞在中の米国人に対し、無期限にとどまるつもりがなければ直ちに帰国の準備をすべきだと呼びかけたとき、多くの日本人は『感染が広がっている米国が何を言っているのか』と思ったが、検査せず、感染者が多数隠れているかもしれない国から退避させるのは当然だ。私は検査の少なさは『日本の恥』だと思う」【Q4】 --検査を増やすと医療崩壊が起きるといわれてきた【A4】 「軽症者の宿泊施設での療養が始まったが、前からやっておけばよかった。感染症法上、新型コロナ感染者は入院させなければならないというのは当時も今も変わらないのだから、初めから法律を拡大解釈してそうすればよかった」【Q5】 --国の検査抑制方針をどう思うか【A5】 「専門家会議は『日本は何とか踏みとどまっている』と言っているが、検査を抑えたため感染者が見過ごされているのに、なぜ踏みとどまっていると分かるのか。憤りを感じる。どこに感染者がいるか分からなくなってしまった。クラスター追跡も大事かもしれないが、今はクラスターとの関連が見えない『孤発例』をどんどん見つけるほうがいい」
土日に減る不思議【Q6】 --PCR検査体制の問題点は【A6】 「国がPCR検査を都道府県や政令指定都市の衛生研究所にほぼ独占的にやらせてきたことがいけない。東京都の1日の感染者数が報道されるとき、『土日は検査数が少ないので』と当たり前のように解説されるが、感染症対策に土日は関係ない」【Q7】 --山梨大病院で8日からドライブスルー方式検査を始めるのはなぜか【A7】 「私どもは1月下旬から独自のPCR検査体制の構築を始めた。その結果、新型コロナによる髄膜炎患者や0歳児の感染を見つけることができた。今回、山梨県の長崎幸太郎知事からの要請で県内のPCR検査数増加に協力することになった」【Q8】 --検査数をもっと増やすにはどうすればいいのか【A8】 「全国の大学病院が奮起するよう呼びかけたい。東京都医師会がPCRセンターを各地に作って検体を採取し、民間の検査機関に検査してもらうそうだが、そのような方式もどんどん取り入れていくべきだ」
専門は「皮膚科学」だそうだから、立派な理系の人、の筈なのだがな。
上掲産経記事でインタビューに答えている山梨大・島田眞路学長殿には、是非とも以下の設問にお答え頂きたいモノだな。
【QZ1】 PCR検査の精度を、どの程度と考えて居るのか?言い換えれば擬陽性及び偽陰性は、どの程度の確率で発生するとお考えなのか?
【QZ2】 「他の先進国は日本の何倍、何十倍と(PCR検査を)やっている。そして陽性者を隔離すると言うやり方だ。」って事は、擬陽性も全員隔離すると言うやり方であり、少なくとも擬陽性が現在の「何倍、何十倍」と発生するやり方であるが、そのようなやり方を実践しても日本の医療体制が医療崩壊しないと言う自信と根拠は、何か?
而して、インタビューに於いては、正に斯様な「本質に迫る質問」を発する事こそ、インタビュアーの、報道機関の、上掲記事で言えば産経新聞の、責務であろう。
左様な質問に学長殿が「答えなかった」のならば、正に「答えなかった」という事実を報じる事も、含めて、な。
従って、上掲記事の質疑で終わっている産経新聞は、「報道機関として(怠慢、とは言わぬまでも)不徹底である。」とは非難出来よう。
誰が、「武漢肺炎ウイルス検査(特に、PCR検査)を全員/希望者全員/広範に多数実施しろ!」と主張するか?
先述の通り「高校生以下の思考しかしない」様な政治家や芸能人は兎も角、どう考えても理系の人間で、相応に定量的検討の訓練も重ねたに違いない、皮膚科学名誉教授にして山梨大学学長たる島田眞路氏のようなお方が、「PCR検査を大幅に増やせ!!」などと言う、「一寸冷静に考えればわかる愚論にして暴論」を公言断言出来てしまうのは、何故だろうか?
私(ZERO)には、以下の何れか、或いはその複数の兼任ぐらいしか、思い付かない。
<1> 日本の医療崩壊を目論んでいる
<2> PCR検査拡大による利益を受ける
( PCR検査キットの販売による利益かも知れないし、得られるPCR検査データかも知れない。 )
<3> PCR検査の精度に絶大な自信がある
( 先行記事にもした通り、陽性が真に陽性である確率=感度も、陰性が真に陰性である確率=特異度も、共に98%と言う「準理想的検査」でも「検査対象をむやみに拡大すれば、医療崩壊は必至」という結果であったのだから、上記<3>の「絶大な自信」は、「感度、特異度共にほぼ100%」と考える程の自信、である筈だ。 )
( 先行記事にもした通り、陽性が真に陽性である確率=感度も、陰性が真に陰性である確率=特異度も、共に98%と言う「準理想的検査」でも「検査対象をむやみに拡大すれば、医療崩壊は必至」という結果であったのだから、上記<3>の「絶大な自信」は、「感度、特異度共にほぼ100%」と考える程の自信、である筈だ。 )
<4> 我が国の医療体制は、現行感染者数の百倍の陽性判定者数にも「崩壊しない」という、絶大な自信がある。
( 前述の通り、「日本の何倍、何十倍のPCR検査を実施した先進国」を例示しているのだから、少なくとも「現行感染者数の何倍、何十倍の陽性判定者数」にも日本の医療は崩壊せず、尚且つ左様な検査を実施した先進国も「医療崩壊には至っていない」という自信と判断がある・・・・筈だ。
( 前述の通り、「日本の何倍、何十倍のPCR検査を実施した先進国」を例示しているのだから、少なくとも「現行感染者数の何倍、何十倍の陽性判定者数」にも日本の医療は崩壊せず、尚且つ左様な検査を実施した先進国も「医療崩壊には至っていない」という自信と判断がある・・・・筈だ。
あ、上記<1>の通り、「日本の医療崩壊を目論んでいる」ならば、話は別だな。 )
<5> さしもの皮膚科学者殿も、寄る年波には勝てず、ボケてしまった。
<6> 現行医療体制や現政権に対する非難批判が、学究精神や論理的思考よりもオーバーライドしている。
( これもある種の、「ボケ」と言えよう。 )
( これもある種の、「ボケ」と言えよう。 )
<7> 「PCR検査を大幅に増やせ!」等というのは愚挙にして暴挙と重々承知しており、そんな事は「どうせ実施されまい」と多寡を括って、パフォーマンスとして「PCR検査を大幅に増やせ!」と主張して見せている。
どれかに「賭けろ」と言われるならば、「上記<7>に賭ける」かな。これが一番、皮膚科学者の名誉教授にして、山梨大学学長という、履歴及び現職との「矛盾が少ない」だろう。
つまりは、ある種のブラフ、芝居、ハッタリ、と見たが、如何だろうか。