いま被災地は取り壊され
能登地震で最大の課題、被災住宅の解体や瓦礫撤去。
梅雨空の下、日曜で作業が中断された重機が雨に塗れ
ながら佇んでいました。
きょうから七月、雨が降りしきる被災地のワンシーン。

石川県を北上しますと、門前町(輪島市)があります。
大切な信仰の根ざす土地柄で禅の町とも言われる。
総持寺という仏閣があり、昔から伝統ある仏教に帰依。

既に時系列的には半年が経過した現地。
まだまだ崩壊した住宅が放置されています。
激震が襲いかかり、海岸の隆起が著しい門前地区。
陸地の被害状況も最悪のまま … 冷たい雨に濡れた残骸。
仮設住宅の整備も追いつかず、家人は避難所生活。
今月から進展があるといいのですが。

計画的には難航する解体工事と人手不足。
門前町は、浦上地区が地滑りなど危険遅滞とされ、
集団移転の対象に指定されています。
それを含め輪島市でも4地区が集団移転を勧告され、
被災後から疲労感で沈む空気に追い打ちをかける。
長く暮らした先祖代々の土地を諦め非難する苦痛。
農村地帯の人々にとって過酷な選択肢に苦悶の表情。
ボーリング掘削や地層の調査など、7月から本格化。
住人にとって運命を呪いたくなる冷たい雨が・・・
人気も消え、閑静な信仰の町も過酷な日々を迎えます。

總持寺祖院
寺には、17棟の国の登録有形文化財を含み七堂伽藍
に回廊が地震で倒壊する被害が及んでいます。
能登半島では、去る2007年の地震で被災した伽藍
など大規模な修復作業が終了した直後の大地震。
總持寺に於ける開祖の瑩山七百回忌法要の記念行事を
計画していた矢先に襲来した未曾有の危機に直面。

多くの修行者も含め、町の復旧にも尽力しています。

この總持寺がある座標は、傍に市の門前庁舎があり、
自治体で被災対応の重点地区にもなっています。
駐車場に電気自動車の充電スポットを併設しています。
被災地に支援などで向かわれた方は、自車の補充を
受けられる貴重な場所ですね。
役所にて不明のことなど相談してみてください。
今回の被災も總持寺は深刻な被害を受けています。
通常なら、休日もお参りの観光客が押し寄せる寺。
復興の要となる町の中心地として機能しています。
市の庁舎ともども、各地からの支援者が集う拠点。
町民に手を携え苦難に立ち向うべく新たな時節。
まだまだ支援の手をお待ちしています。

梅雨の雨が降りしきる門前、強風に晒されながら
一心に祈る帰依者たちと町民の明日を願うのでした。

被災意での解体や撤去にも計画が滞り、本格化が
待たれますが、重機もオペレーターも不足しています。
梅雨前線のように作業も停滞したまま。
先行きの暗雲を晴らす画期的な策を考えたいところ。

私が記憶している限りでも、あり得ない風景。
見えている広い砂浜は存在せず、全て海中でした。
テトラポッドまで激しい荒波が打ち寄せる能登の海。
隆起で以前の美しい景色が変貌し別世界に成り果て、
あらためて… 半島が異常なリフトで地形が瓦解した
現実を思い知らされます。

信じ難い面積が干上がり波打ち際が遠ざかる日本海。
道路から眺めていた海も潮騒も彼方にされた変異。

被災後から半年の経過時間、風雨により塩分が希釈。
広大な砂浜は、雑草の緑が覆いはじめていました。
自然環境の変化と生物の動向にも注視したいと思います。

ここには漁港がありました。
防波堤も完全に露出するほど隆起しています。
無論、海水が消えた小さな港に船は着けません。
いま能登半島の北部は、こんな状況ばかりです。

どこまで移動しても隆起した地形が酷く…
比較的に水位が保たれている漁港も明らかに隆起。
普通の漁船でも座礁しそうな水深に成り果てています。
いまだ動けぬ漁業関係者の悲嘆。
門前の海岸線を飾る奇岩の様々な形。
海の底まで干上がった岩礁に… 新たな?風景も。
昔は、赤い部分しか海面に出ていなかった岩石です。
私は、エドワルド・ムンクの 叫び… に思えて、
1893年に描かれたムンクの油彩
ムンク岩と命名。
ここ周辺は、真冬に岩海苔がとれる名産地もある。
もう荒々しい波が及ばない海苔場も壊れていました。
世界的に温暖化や海面上昇の危機が叫ばれる昨今。
地球上の能登半島は、人々の想定外に変貌しています。
観光で懐かしい人々が訪れた時、驚かれるでしょう。
頑張りましょう能登の皆様
彗星画廊☆写真集 HP
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