家移りした関係で「家じまい」することにし、元の自宅土地建物は、絶賛!売り出し中である。
「正直不動産」という漫画が役に立っている。2017年12号から『ビッグコミック』(小学館)連載中で、毎回の表紙には「不動産営業の“本音”を曝け出す痛快皮肉喜劇」とある。
業界に身を置く主人公は、「契約のためなら嘘をいとわずに営業成績をあげてきた。しかし、地鎮祭のときに祠を破壊してしまったことで、嘘がつけない体質になってしまった」(Wikipedia)というのが“正直”の由来だ。
読んでいると、単なる喜劇漫画とは思えない。「客と業者の情報格差にスポットを当て不動産業界の闇に切り込む作品」(Wikipedia)というのは全くそのとおりで 、業界のダークな面を隠すことなく伝えている感じがする。
この「第177直」掲載号が発売されたちょうどその頃は、仲介を依頼しようと不動産屋を探していた。選び方などわかるはずもなく、ないアタマで考えていた。地元で長いことやっている不動産屋は必須だろうし、テレビCMやってる大手不動産会社にも訊いてみようか‥新築を手掛けてくれたハウスメーカーの評価も聞いてみたい、 その上でどこかに決めよう、 と。
そんなとき「第177直 専任返し」は不動産を売却する場合の契約についてと“囲い込み”をテーマにしていた。契約は3種類あること、相場より高い査定で専任媒介契約を結ばせて売り手を囲い込み、契約後に買い手を見つけて値下げさせるという手法が描かれていて、まさに自分が囲い込まれる側であることを実感した。
1軒目の営業マンとは「正直不動産」の漫画話から始まった。カモと思われたくないこちらの警戒心と、不動産業界が千三つ( 千の言葉のうち真実は三つしかない)と思われたくない営業マンの思惑が、自然にそうさせたようだ。不動産屋ならみんな読んだり(ドラマ)見たりしてるはず、 という。そんなやり取りをしているうち、警戒は和らいだ。
味をしめて2軒目の営業マンにも同じ話を向けたら、漫画もドラマも知らないと言って少し怪訝な顔をされた。それから淡々と自社や契約の手順 などについて説明された。1軒目の営業マンとはキャラクターが全然違うのを感じた。ハウスメーカーのほうは消極的で、評価を知りたいだけのこちらの意図は見透かされたのかもしれない。
最終的には、2軒目の会社と媒介契約を結んだ。大手はやめた方がいいという知人から紹介された人物で、「正直不動産」では意思疎通できなかったものの、財閥系大手不動産会社に10年ほど勤めたのち独立したというから、経験も業界ネットワークもそれなりにあるようだ。
そして、大手社員の場合は、ときに売り手よりも社内の営業成績を優先してしまうとか、できれば売却時は両手仲介(売り手・買い手の両方から手数料を得る)したいなどと、漫画にあるような話もしてくるので、その意味では正直不動産かもしれない。「正直不動産」を知らない正直不動産屋w
思うにこういったことの成否は、出会った人しだいなんだろう。どんな営業マンと出会えるかというのは運だから、契約して任せるのは賭けのようなもの。自慢じゃないがこのシニア、博打はからっきしダメで運に恵まれたことなどない。
人生も終盤ナリ。せめて 「家じまい」くらいは期待どおりに進んでくれんかのう。しっかり頼むゾ、正直不動産屋さん。“囲い込み”ぐらいは大目に見るから、値下げなしで売却してくれ。最長3ヶ月の契約期間が過ぎてしまったら、他社に乗り換えるからのうw

