暑いなか投票に行った東京都民には申し訳ないが、「娯楽映画」ならぬ「娯楽選挙」というカンジで結構楽しませてもらった。

 

 一番の興味は、次点が誰になるかということだった。カミツキガメは噛みつかせてもらえなければタダのカメだが、くわえて、後から来たウサギに追い越されて大差をつけられたというのは、よい娯楽ストーリーになった。

 

 

 おまけに、NHKが現職の当確を報じたのが20:00ジャスト。これは「ゼロ打ち」という、出口調査の結果で当選を確信し、投票締め切りと同時にそれを報じるというものらしいが、カミツキガメにとっては甚だしく屈辱だったろう。

 

 そのNHKはきょう、「2位はドコなんですか? 都知事選 石丸氏 蓮舫氏 開票所別では」とユーモアのある見出しをつけた。こちとらは楽しませてもらっているが、当事者がみれば歯ぎしりするだろう。まぁ、自分で蒔いたタネなんだが‥。

石丸氏と蓮舫氏 どこで得票?

石丸伸二氏と蓮舫氏の開票所ごとの得票率を比較しました。
62の開票所のうち、石丸氏がリードしたのが中央区や港区など53、蓮舫氏がリードしたのが多摩市や清瀬市など9でした。
石丸氏は23区すべての開票所でリードした一方で、蓮舫氏は多摩地域や島しょ部の一部のリードにとどまりました。

NHK NEWS WEB 2024年7月8日 16時36分

 

 ただ、後からウサギのこの石丸氏、SNSで若年層から巧みに支持を取り込んでいるが、本性はまだよくわからない。同じ7日に行われた広島県安芸高田市長選の結果では、石丸市政の転換を訴えた無所属新顔の元郵便局長が当選し、それも僅差ではないから、市長として市民から支持を得ていたかどうかはアヤシイ。知名度向上にことさらに議会を対立させSNSを利用したフシが感じられるから、メディアでの発言は今後注意深く聞く必要があると思う。

 

 

 都知事選挙はカオスで、もう末期という感じだったが、得票数15万票強で5位になった人工知能(AI)エンジニアのAIを駆使した手法は興味深かった。「具体的な政策の話をすることで無名の人物でもここまで得票できる」と本人が語っているとおり、都政の問題を整理しそれに対する施策を具体的に示していた。それでなんと5位なのだ。

 

 この内容がテレビ等で全く報じられなかったのは、公平性の観点なのかもしれないが、今後については、今回選挙戦で用いたシステムを誰でも使用できるように公開するというから、各候補者のAIが作った公約をみて有権者が投票先を決めるという日が近いかもしれない。

 

 とにかく、カミツキガメが声を張り上げて、噛みつき騒ぎ立てる選挙手法が全く通用しないということはもうハッキリした。