先週初め頃、深夜に歯が疼いて目が覚めた。次の日の深夜は、より痛みを感じて目が覚めたから、これはマズイことになった、と焦った。

 

 診てもらったら、40年以上前に治療した奥歯のかぶせものの中に炎症がみられるとのこと。原因は分からないが、さいわい歯周病や虫歯のたぐいではなかった。

 

 それでも、痛みを何とかしないことには満足に眠れない。不安に思っていたら、抗菌薬(抗生物質)のカプセルと痛み止めの頓服を渡された。

 

 クスリといえば、たまに正露丸を飲むくらいで、抗菌薬などしばらく服用したことはなかったから、食後におそるおそる服用してみたところ、痛みを感じず安眠できるようになった。ありがたや、抗菌薬。

              

 

 ただ、時々抗菌薬の不適切な使用は薬剤耐性菌の増加につながるという近年の問題が報じられるから、ありがたがって漫然と服用を続けてはイカンかもしれんと、クスリの添付文書に目を凝らした。こういうとき、ネット社会もありがたや。

 

 ついでに関連記事を見てみると、ある研究では、外来で処方された抗菌薬の約56%が不必要なものだったと結論付けられており、その主な疾患の一つが急性上気道炎だという。

 

 つまり、日本では急性上気道炎について、細菌感染かウイルス感染かの正確な診断や治療が十分ではない、それが無駄な抗菌薬の処方がなされる一因ということらしい。“かぜに抗生物質”は今や昔の大いなる誤解。患者の側もいろいろ学ばなければならぬ。

 

 ところで、今回処方された抗菌薬カプセル、効果・効能に歯周組織炎、歯冠周囲炎などとあり、実際に痛みもやわらいだから適応だったんだろうが、透視しただけで炎症の部位を直接目視したわけではなかった。症例的に細菌感染と考えてしかるべき、ということだったのか。

 

 とにかく、必要な抗菌薬ではあったが、最小限の服用で済ませたいもんだ。