植物のことに疎いこのシニアでも、コマクサが有名な高山植物だということくらいは知っている。山岳画家と言われた坂本直行先生の版画だか水彩画にも、コマクサを描いたものがあった。

 

 高山植物だし、コマクサがその「女王」ならなおのこと、大切に保護されるものだと思っていた。ところが、場所によってはそうではなかった。人の手で引っこ抜かれていたとは‥。全国どこでも大事にされるわけではないのが意外だった。

 

 理由は、自生種の生息域を脅かすことだというから、大雪山系では女王様でも、樽前山では厄介者扱い‥なんだか気の毒な感じがしないでもない。40年もの間持ち込んだ人たちは、生態系の保全ということを考えなかったんだろうか。

 

 ググってみると、同じような状況の白山国立公園では「コマクサ対策事業」を実施していた。具体的内容は分からないが、今年度も環境省が一般競争入札を公告している。金を払ってコマクサの除去や現地調査、モニタリング、DNA解析などを通じて、効率的な除去手法の検討につなげているらしい。

 

 樽前山では、職員や自然ボランティアら12人が活動したとあるが、抜き取った約2千株のコマクサはどうなったんだろうか。国立公園内のものだから参加者が自由に持ち帰れるものではないと思うが、引っこ抜いて集めてポイッと枯死処分なんだろうか‥もったいない。

 

 一株〇〇円 × 2千株=と考えると、販売すれば百万円単位になりそうだが、それを国に収入して予算に反映させて環境保全に充てるということはしてないんだろうか。

 

 「発注事業による除去活動」とやらの中身が知りたくなる。