「札幌ドーム」の株主総会が終わって、経営状況と今後の展望について各報道が詳しく説明してくれている。ファイターズの移転が経営に与えた影響と、それに対する対策が中心となっている。

 

 記者会見で社長は「株主総会では社長を辞めろという話は出なかった」と答えていたが、やはり一方的な説明に終始したというカンジだろうか。

 

 札幌ドーム株式会社の株主27名のうち、大株主は札幌市ほか10社(者)書かれている。いずれも、世に知られた有名どころだ。

 

 

 そして、その大株主のうちから札幌商工会議所副会頭、北海道電力取締役常務執行役員、北海道瓦斯常務執行役員、北海道新聞社執行役員、サッポロビール上席執行役員が、社外取締役として経営に参画(年5回ほど開催の取締役会出席)している。

 

 3セク会社の取締役会でどのような議論がされるのか、皆目想像できないが、厳しい意見交換ができるだろうか。社外取締役は無報酬らしい‥。

 

 そして「決算概要」で気になったのが、新任の取締役2名について「管理担当」と「事業担当」が( )書きで明記されていたこと。以前はなかった。まさか今まで、役員の責任分担をハッキリさせてなかったのか?

(リリース(24_6_21))決算概要 (sapporo-dome.co.jp)

 

 ネーミングライツは引き続き関心を持っている企業と協議していて期待感がある、とのことだが、役員みんな一流企業の経営陣なんだから、単独でも共同でも、命名権を買えばいいじゃないか、とも思うが、そうはいかないのか‥まぁ、会社から嫌な顔をされるだけでは済まないことになるか‥。

 

 今後についてドームの社長は、まずは黒字を目指し、内部留保は食いつぶさない、仮に食いつぶしても市から公金をもらわないという考えは変わらない、と言い切るがどうなることやら。

 

 いま、コンサドーレがピンチなのだ。今季ここまでJ1で単独の最下位に低迷している。このままではJ2に降格してしまい、クラブは予算規模を縮小した経営を余儀なくされる。

 

 もしそうなったら、引き続きドームを使用するのは負担が大きく、例えば、使用料の値下げについてコンサが打診するかもしれない。あるいは、旧本拠地の聖地・札幌厚別公園競技場を使用するなどの対策に動くことになる。いずれにしても、コンサドーレの今季の成績結果によって、ドームの経営は思惑通りにいかなくなるだろう。

 

 その時また、「見通しが甘かった、には抵抗がある。思惑通りいかなかったのは事実だが、挑んだことに変わりはない。その辺をカバーして次年度の黒字化を目指したい」と言うのだろうか。「プロスポーツ2球団に去られた札幌遺産」認定ってなことになるかもしれないゾ。