道新デジタルに、「「アーバンフォックス」7月まで住宅地で出没増加 エキノコックスに注意」というのがあった。アーバンベアに続いてアーバンフォックス‥。

 

 札幌市内で人の生活圏に住むキタキツネ、通称「アーバンフォックス」が目撃されていて、特に4月から7月の子育て期間中に遭遇する可能性が高まるというものだが、その“通称”とやらは初めて聞いた。

 

 

 これらのキツネは、エキノコックスという寄生虫を持っており、道内のキツネがエキノコックスに感染している割合は3〜4割程度というから結構高い。人に感染すると肝機能障害を引き起こすおそれがあるから、土いじり後の手洗い、生水の摂取避け、野菜の洗浄や加熱、飼い犬の野ネズミ食べさせないなどの予防策が重要だとしている。

 

 キツネへの対処としては、キツネに近づかない、餌付けしない、生ごみや猫の餌を放置しないなど。また、キツネが近づきすぎた場合は、石を投げるふりで威嚇すると離れる、とある。“ふり”で済めばいいが、石を投げる練習もしておかねばならん。

 

 40年以上前まで、エキノコックスがエヒノコックスと呼ばれていたのを覚えている人は結構いるだろう。そして、媒介(宿主)動物対策のため、礼文島にはイヌがいないというのもその昔に聞いたことがあるはずだ。そして、ことし1月に直木賞を受賞した河﨑秋子氏のおととしの「清浄島」が、その「エキノコックス症」との闘いの話だというのを最近知った。

            

 

 道内では1994年(平成6年)には、旭山動物園において、ローランドゴリラ、ワオキツネザルが相次いで感染・死亡した上に、人間への感染不安が高まり、営業休止したということがあった。2007年(平成19年)には北大の研究チームが北海道内の600匹の飼い猫を調べたところ、1匹の猫からエキノコックス虫卵が検出されたということもあった。道新には、エキノコックス症の道内での新規感染者は、20年24人、21年30人、22年23人、23年14人と毎年一定数いる、とある。dj2275.html (niid.go.jp)

 

 そんなことがあるから、「〇〇の名水」とか「天然水」ってやつには些かの警戒心があって、あまりありがたいものには思わないのだ。加熱すればイイとはいうが、ビビりのほうがやや勝ってしまうのである。

 

 とにかく、野生生物とは一定の距離が必要で、近づけてはいけないのである。昔はやったドラマのあの“ルールルルルルルルー”‥など、とても不届きなものであった。ところで礼文島にはいま、犬や猫はいるんだろうか‥。