ヒグマ関連のニュースが増えてきた気がする。出没相次ぐという情報にくわえて、作業中の遭遇もあって、きのうは山林調査中の道職員が襲われて大けがをしている。

 

 北海道新聞なんかは、一連の記事を「ヒグマ問題を考える<ヒグマ危機(クライシス)>」として、随時掲載している。クライシス‥重大局面だというのである。

 

 

 きのうの道ヒグマ保護管理検討会では、雌のヒグマの捕獲目標を示したということで、評価する声が上がった一方、あらかじめ雌雄を見極めて捕獲するのは「現実的に不可能」との見方もあるとのことで、ハンターの捕獲活動にも十分な支援を行う必要がありそうだ、と報じられている。

 

 そんな“ヒグマ危機”のさなか、先月は奈井江町の猟友会がヒグマ駆除の活動を辞退したという問題があった。背景は、昨秋のヒグマ出没時の町の対応がきっかけで猟友会の不満が表面化したようだ。

 

 町は報酬増額を提案したが、猟友会は協議を拒否。町長は事前相談がなかったことを謝罪し協議を望んだが、町との信頼関係が築けないと感じている猟友会の対応は未定となっていた。

                                  

 この時期に、なぜ奈井江町は、そんなにこじれてしまったのか?

 

 その後道新は、この問題がクマ対策を猟友会頼みで行っている他の道内自治体にも波紋を広げていて、ハンターの負担が増える中、適切な報酬額の設定の必要性に言及しているが、それが解決のすべてだろうか?

 

 奈井江町の猟友会が「クマを捕ることがどういうことか分かっているのか。猟友会は役場の下請けじゃない」、「(町の提案は)時給にすると高校生のアルバイト以下。信頼関係が崩れたら終わりだ」と言っているのは、業務内容を協議することなく提案した町の対応、進め方が雑だったわけで、猟友会に対するリスペクトがなかったというのが大きな要因のように思える。

 

 各自治体のヒグマ対策部署は他の自治体の取り組みは知っているわけだから、奈井江町はもう少し丁寧な対応ができたはずだと思ってしまうのだ。

 

 まぁ、拙者なんかはヒグマの来ない街中にいて、山菜取りに行くわけでもないから、安全圏にいて勝手な印象を言っているわけだが、これまでの報道を見る限りは

奈井江町側の対処の仕方が、猟友会にたまっていた不満を一気に噴出させてしまった感じがする。

 

 こうなったら奈井江町は平身低頭して謝って、猟友会の協力を取り付けるしかないのだから、協議の場に付いてもらえるまで繰り返しお願いするしかないだろうという気がする。なによりリスペクト、リスペクトがだいじ。