きのう、手稲区に住む知人から、中三の息子が修学旅行で東京へ行ってきたと聞いておどろいた。中三の修学旅行先が東京⁉‥ほえほえほえー⁉観光バスに揺られて、「マリモの唄」を聞かされたこのシニアには、隔世の感がある。

 

 中学の修学旅行で札幌から道外へ出る場合は、青森県か秋田県北部までが定番だろうと勝手に思っていた。三内丸山遺跡で縄文文化にふれ、十和田湖では乙女の像を見て高村光太郎に思いをめぐらし、秋田の鹿角あたりでは、尾去沢や小坂の鉱山史跡から歴史や環境について学ぶ、そんな研修旅行のイメージだった。

 

道内の中学校の修学旅行の行き先 2008年

 

 手稲区のその中学校では、2泊3日の旅費が7万数千円というからなかなかの出費だ。ほかに、上限15,000円で交通系ICカードのチャージが可能らしい。また、行きは忘れたが、帰りは新千歳空港で解散だというから、個人旅行に近づいている。そのうち、現地集合、現地解散になったりして‥。

 

 東京で生徒たちは、浅草ほかを訪れたとのことだが、知人曰く、浅草なんかはいわゆるインバウンド客と一緒に毎日のようにテレビに映っているのに、と。訪日インバウンド客に、札幌からのアウトバウンド中学生の一行が混じってごちゃごちゃしているのを想像して、笑ってしまった。帰路は“ホームワードバウンド”(Simon & Garfunkel) 

 

 そんなことを思っていたら、今朝の道新十勝帯広版には、芽室町の中学生が修学旅行で首都圏を訪れ、地元の魅力をまとめた手作り冊子を配布したとあった。町教委がチカラを入れる地域学習の一環で、中学1、2年生は町内の事業所など地域についての理解を深め、3年生で地域の魅力を発信する。

 

 修学旅行先で生徒たちは、宿泊したホテルや飲食店などの従業員に手作り冊子を手渡したり、浅草の浅草寺前で、道行く人に冊子を配り、地域の魅力を発信したそうだ。日ごろの地域学習と修学旅行先でのPR活動‥なんと有意義なプログラムであることか。

 

 ‥ん?浅草といえば、きのう聞いた手稲区内の中学校も浅草へ行ったが、そんな有意義な話は一つも聞かなかった。芽室町の中学生の記事と突き合わせると、手稲の中学校の修学旅行は質で負けてるのう。もうひと工夫必要なのではないか?昨日今日の偶然のニュース対比に、そんなことを思った。

 

2022年度実施の国内修学旅行の実態とまとめ(中学校)

公益財団法人日本修学旅行協会