道新に、ミズナラの木材がウイスキーの樽材としての需要増加により価格が上昇し、旭川では家具製造業者が他の木材への転換を模索しているという記事があった。昨日のコラムにも、そのことが書いてあった。

 

 

 子どもの頃、正式な木の名前は知らず「ドングリの木」と呼んでいた。秋になると木の下にはドングリがたっぷりと落ちていて、その中から形の良いどんぐりの帽子を選んでは、笛のように鳴らして遊んだ。

                 

 

 今どきの子どもはそんな遊びも知らないだろうか。それでも、検索してみると少ないながら図説や動画が見つかった。ただし、同じ原理ながら自分たちは片手だったから、やり方は少し違っている。How to whistle with an ACORN CAP & BOTTLE CAP - YouTube

 

 コラムには、樹齢を重ねた太い木は数少なくなったことや、価格高騰による影響が気がかりとある。気がかりといえば、「ナラ枯れ」問題というのもあるらしく、 昨年秋に北海道で初めて「ナラ枯れ」が確認されたことが10日ほど前にも記事になっていた。昆虫が持ち込むナラ菌によって引き起こされる広葉樹の枯死のことだった。

 

 温暖化によりナラ菌を持ち込む昆虫の繁殖適地が拡大していることが原因で、北海道全域に広がる可能性があるというから困ったもんだ。対策が取られ始めてはいるものの、津軽海峡を挟んだ青森県では、16年以降にナラ枯れが急拡大していて、対策に苦慮しているらしい。

 

 ミズナラは北海道を代表する広葉樹で、実のドングリはヒグマや昆虫の餌となる。ドングリが減れば、帽子の笛遊びどころではない。生態系が崩れ、ヒグマが人里に下りてくる要因にもなる。別海町では昨日、育成牧場の子牛8頭が襲われ、ヒグマとみられる17センチの足跡が複数見つかっている。

 

 世界的なウイスキーブームで熟成に使う樽材としての引き合いが強まって、道産ミズナラの価格が高騰していると聞いて、道産材の利用拡大につながるいいニュースのように思えたが、関連する事項をみるにつけ、気がかりなことのほうが増えてくる。

 

 こうなると、コラムの最後「限りある資源をどう次代へつなげるか。知恵が必要になる。」が深刻に思えてくる。