ちょっと変わった新聞広告があった。夕張市が取り組む二つの課題を載せ、夕張市内の企業、法人が多数、名前を連ねている。

 

 掲載は、空知・岩見沢地域の紙面だから、広告を見るのは地元市民とその周辺地域の人たち。そこに向けて「高校全国募集」と「スキー場利用」を説明したこの広告の目的はなんだろう?各企業・法人は市の広告のために費用を分担したんだろうか、などと思いながら見ていた。

 

 夕張では、財政破綻から人口の減少が加速し、市内で唯一の高校、道立夕張高校でも定員割れが続いて廃校が取りざたされるようになったため、破綻から10年目の2016年に「夕張高校魅力化プロジェクト」を始めた。今春は、入学者数が久しぶりに増加に転じ、中には札幌からの入学者が2人と埼玉県からの入学者が1人いるそうだ。

 

 一方で、高校魅力化のポイントは何か?市民に夕張高校の存在感があまり伝わってこない、高校の存続が地域にとってどういう関わりがあるのか、どういう経済効果があるのか、もう少しわかりやすい形で展開してほしいという夕張市民の声が、地元HBC放送で伝えられていた。

            

 

 ひょっとして市の新聞広告は、こういった市民の声に答えたものだったのか?だとすれば、よく“スピード感を持って云々”などと意味不明なことをいうあちこちの政治・行政に比べて、とても迅速、的確ではないか。真剣さが伝わってくる。

 

 なにより、道立高校の運営に市が主体となって関わるんだから苦労も多いだろう。市は高校と向き合う窓口を、教育委員会ではなく地域振興課としていて、校舎の中や外で生徒に直接関わっている。全国の地域留学の合同説明会(東京)へも出かけている。

 

 高校のほうも授業の中身で、地元の夕張メロンの出荷に関わる課題解決に取り組み、北大が開発した「プラチナ触媒」の実証実験により、フードロス削減に関するコンテストで最高賞を獲得するなど評価を得ているというから、存在感を示せている。

 

>YouTube夕張市公式チャンネル「夕張市まちづくりコンセプト映像」

 夕張は、倒れたままか、夕張は、言い訳するのか、夕張は、メロンだけか、夕張は、高齢化を嘆くのか、夕張の、夜明けはまだか、闇は、自分たちでぶち壊せ‥。

ホーム - 夕張高校魅力化プロジェクトポータルサイト (jimdofree.com)

 

 夕張には縁もゆかりもなく、ただ見ていることしかできないが、3年後には財政再生計画が終了し、いわゆる市の借金を返済し終える予定とのこと。その時、高校の魅力化プロジェクトはどうなっているのか?せめて、エールを送っていようと思う。

 

 そうそう、マウントレースイスキー場には1度しか行ったことがないが、千歳エリアから近くて利用しやすかった。混雑する札幌方面のスキー場から客が流れてきて、今季は例年の3割増しの来場だったというし、ラピダス効果で千歳とその周辺に多国籍の入り込みがあることを想像すると、海外客口コミの「穴場」にもなり得るのでないだろうか。そっちにも、注目していたい。