深刻な人手不足や物流の停滞が懸念されるという「2024年問題」。トラック物流が広い北海道の経済社会を支えているから、それが滞ってしまっては、日常のあらゆることにいろんな支障をきたすことになるんだろう。

 

 北海道新聞もきのうの社説で「物流残業規制 運転手の待遇改善急務」として、トラック物流の現状と、それに伴う運転手の労働環境の改善が求められていることを強調していた。業界全体での取り組みと消費者の理解が重要で、「トラック物流のあり方を、社会全体で変えていかなくてはならない」とも書いていた。

 

 具体的には、運転手の年収は全産業平均より低く、安全な輸送と人材確保のためには待遇改善が不可欠という「待遇改善」の必要性、 荷物の積み降ろしで運転手が長時間待たされる「荷待ち」問題への取り組みと削減、そして“送料無料”や迅速な再配達を当然とせず、運転手に及ぼすしわ寄せを考える必要があるという消費者の「意識改革」にも言及した。

      

 

 ふむ。どれもそのとおり、もっともでごぜえますだ。しかし、それを100%支持する気になれないのはなぜだろう?「社会全体で変えていかなくてはならない」と言いつつ、北海道新聞社としては何か変える取り組みをするのかい?

 

 例えば、社説にはそのようなご高説を披露する傍ら、他の紙面ページには“送料無料”を謳った企業広告を連日、そして多数掲載している。なかには送料別途とか〇〇円と書いた公告もあるが、この1週間をみても“送料無料”と書いた広告が載らない日はない。

 

 新聞社にとって、広告収入は柱なんだろう。そしてネット広告の隆盛と新聞発行部数の減少で、経営環境がキビシイらしいことは聞こえてくる。だから、なかなか広告主に直接の注文は付けられない。二枚舌とまではいわないが、あからさまな建前だけの社説にしかならない。

 

 社の主張として載せるからには、消費者も考えろというだけでなく、もう少し踏み込んで言えないものか?消費者庁は表示の規制は見送ったものの、「送料無料」表示について関係事業者などに自主的な見直しを促す方針を公表している。

 

物流の「2024年問題」と「送料無料」表示について | 消費者庁 (caa.go.jp)

 

 そこには表示例も示し、「送料無料」を表示する場合、表示者の責任として「無料」と表示する理由、仕組み等を分かりやすく説明することを“提案”している。「表示者」の定義はないが、公告主に限らず広告費を受け取って掲載しているんだから、新聞社のほうも消費者庁の方針をもっと喧伝して、間接的にでも公告主に見直しを促す姿勢がほしいもんだ。

 

 そんなことを思っていたら、きょう、こんなのもあった。「日時指定」はできるだけ使わないでほしい…トイレにも行けない多忙な配達員が口を揃える意外なホンネ 配達員に「本当に優しい注文」のポイント | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

 結局、どうするのが一番いいのかのう‥。

 

知っていますか?物流の2024年問題 | 全日本トラック協会 | Japan Trucking Association (jta.or.jp)