ローマ字のつづり方について国が定めたルールが、約70年ぶりに改められる見通しとなったという記事があった。一般社会の実状とあわないということだ。

 

 そのルールはというと、国は1954年、内閣告示で「一般に国語を書き表す場合」は訓令式を用いると定めた、ヘボン式は「にわかに改めがたい事情がある場合に限り」使うとした、とある。

  

 

 あれ?そうだったか‥まったく認識してなかった。ということは拙者、「にわかに改めがたい事情」がないにもかかわらず、生まれてこのかたずっと、内閣告示とやらを無視した名前表記をしてきたわけだ。クレカを始め、各種登録等はみなヘボン式で表記してきた。

 

 改定検討の理由としては、現状が学校教育に影響を及ぼし、各分野に表記の不統一や混乱をもたらしている恐れがあるということのようだが、あまり実害が感じられない。社会の実状にあわせるというのがいちばんの目的のように思える。

 

 改定は、「一般に国語を書き表す場合は訓令式ヘボン式を用いる」となるんだろうか?

 

 子どもの頃から、「ヘボン」の響きはイマイチに感じていて、ヘボン式ローマ字を広めた先生の「ヘプバーン」という姓だとは聞いていた。同じ姓の世界的有名俳優もいて、そのほうが耳ざわりがいいように思っていたから、この際、名称も「ヘプバーン式」とはしないだろうか。

 

 ただ、Wikipedia によれば「「ヘボン」は原語の発音を重視した仮名表記とされており、本人が日本における名義として用いたことで彼固有の表記として定着したもの」あるいは、「自ら「ヘボンでござります」と名乗っていた」とか、「創立に深く関わった学校や教会は現在でも「ヘボン」表記を大事に伝えている」とある。

 

 英語・ラテン語の発音への親和性を重視した方式なのに、それを日本語的に「ヘボン式」と呼ぶのはなんだかチグハグな気もするんだが、由来やこれまで認知されてきた背景を尊重するほうが、道理にかなうということになるのか‥。