ビッグコミックオリジナルに連載中の「テツぼん」。鉄道オタクの二世国会議員が、持ち前の鉄道知識から意図せず功績を挙げてしまい、与野党や官僚にも一目置かれるようになって、内外の財界人などにも人脈ができていく。

 

 当人は地位や権力には全く興味がなく、国会議員よりフリーターでいたかったが、現在は国交政務官となり、好きな鉄道と関われることから、特に出張には喜んで出かけている。鉄道オタクであることは内密にしている。

 

 1/19発売の第3号には、ジェットエンジンを鉄道貨車に積んで、除雪をするという話が載っていた。自衛隊のF86戦闘機のジェットエンジンを借りてきて、除雪を試みるのである。さて、どうなるか‥。

 


 

 読みながら、その馬鹿げた豊かな発想と展開に、思わず笑ってしまった。そこで、「1961年(昭和36年)札幌郊外」という具体的な記述も手掛かりに検索してみると、次のようなものがあった。

 1961年(昭和36年)には東京北鉄道管理局の大宮工場(当時)でジェットエンジンを利用した雪かき車が試作されている。これはトキ15000形貨車トキ17988の片側の妻板を撤去して、航空自衛隊千歳基地から借用したターボジェットエンジンを斜め下向きに取りつけ、反対側に操作室を設けた車輌で、ジェットエンジンの高圧・高温の排気を利用して線路上の雪を吹き飛ばし除雪を行うという物であった。

 なお、他の雪かき車と同様自走はできず、機関車に後押しされる形で使用される。しかし実際に試験を行ってみると、ジェットエンジンの排気流の圧力が強すぎて、雪だけでなく、線路上のバラストや構内踏切の敷板なども吹き飛ばしてしまうほどで、燃費や騒音の問題もあって程なく開発は中止されたという。ウィキペディア(Wikipedia)

 また、このような記述もあった。https://207hd.com/post-20624/ どうやら漫画にある「札幌郊外での試験」はそのとおりで、具体的には1961年3月9日の札沼線(学園都市線)浦臼駅でのことだったようだ。これらは鉄オタにとっては常識なのかもしれない。152日記 (nobody.jp)

 

 

 試験とはいうものの、ずいぶん大胆というか、無茶な取り組みをしたもんだ。許可した国鉄当局と、ジェットエンジンを貸し出した自衛隊もスゴイが、技術者の真剣さがそうさせたということだろうか。ともかく、真剣さと失敗の積み重ねが科学技術を発展させるということは、昔も今も変わらない。

 

 さて、札幌市に大雪警報が出て、今朝7時までの24時間に26センチの降雪があった。今季初めて積雪90センチを超えたそうだ。ジェットエンジンに代わって、雪をぶっ飛ばしてくれる新たな技術が開発されないだろうかとは思うが、ぶっ飛ばした後のことがあるから、当然のこと、誰も真剣には考えなてくれないだろうナw