相変わらずの、麻生副総裁閣下の存在感である。今月初めも福岡県内での国政報告会で、温暖化に伴い北海道のコメはうまくなったと言っては「また言った」と各メディアが取り上げたし、党派閥の継続でも、見出しの扱いはデカい。

 

 今回も、講演会で外務大臣の仕事ぶりに言及した一部が取り上げられ、たちまちテレビ、新聞、ワイドショーネタとなって、いつものようににぎやかだ。

 

 その結果、外務大臣がメディアに登場する時間が一気に増え、知名度も上がったことだろう。

 

 外務大臣は正月明けのすぐから、約2週間かけてウクライナなどの欧州や北米、トルコの計9カ国を訪問し、18日に帰国した。なかなかの日程をこなしたと思うが、特にウクライナ訪問で先方の外相と並んだ会見場所の様子は、まさに戦時国を訪れその場にいる、という緊張感を伝える映像だった。

 

 

 しかし、国内各テレビ局ではその映像を使った報道も少なく、使っていても、ただ流しただけにとどまった。なかには「首脳が訪問してなんぼ‥」といった記事までみられる始末だ。

 

 マスコミは、日ごろ、ジェンダー問題だとか「女性活躍社会」だとかを連呼し、「識者は、日本のジェンダー平等の遅れを露呈していると指摘する」と書き立てるんだから、今回の件でも麻生閣下が「ほ~、このおばさんやるね」、「新しいスター」と言う前に、もっと外務大臣の活躍を報じればいいのにと思うのだがどうだろうか?

 

 テレ朝なんかは、朝のワイドショーでは容姿にふれた麻生発言を問題だ、ケシカランとしておきながら、午後の徹子のナントカという番組では、ゲスト女性のスッピン画像を電波に乗せて、「ひどい」「子どもが夜泣きする」などといじり倒しているわけだから、二枚舌もはなはだしいではないか。

 

 しかし、麻生閣下はなにを狙って、講演であのように発言なさったのであろうか?政治資金問題一辺倒の雰囲気を変えようとしたのか?

 

 ともかくも、「麻生先生は何をたくらんで、わたしの名前なんて挙げたのかしら?」と話し、笑っていたという外務大臣もなかなか見事なふるまいである。スターの階段をさらに上るのかどうか‥もっと報道されていい人材にみえる。