1月18日は【海上保安庁緊急通報電話番号「118番の日」】ということで、小樽の第1管区海上保安本部が14日、海の緊急通報電話「118番」の適正利用や海上保安庁の活動をPRするイベントを開いたとのこと。この時期、全国的に行われる。

 

 

 いつもながら驚くのは、「118番」の誤通報の多さ。道新によれば1管本部の昨年は、3万584件寄せられたうち海難事故などの通報は218件にとどまるというから、なんと0.7パーセントしかない!99%以上が、間違い等の無効通報なのだ。

 

 各地域の海保も同様らしい。去年は全国で約53万2千件の通報があったが、無効通報は99.0%。そのうち明らかな“いたずら”は、3%しかない。

k240112_2.pdf (mlit.go.jp)

 

 神奈川新聞の記事には、3管(横浜)が独自調査をして、無言電話の原因の一つにスマートフォンの「緊急通報機能」があることが分かったとある。知らぬ間に誤作動‥なるほど、いまどきのケースで、大いにありそうだ。

海の緊急電話「118番」、実はほとんどが間違い・いたずらの「無効通報」… 理由はスマホの機能? | カナロコ by 神奈川新聞 (nordot.app)

 

 記事にはほかにも、消費者ホットライン「188」や時報サービス「117」と勘違いしたり、札幌市などの市外局番「011」の後に「8」が続く番号をかけ間違えたりしたケースが確認された、とある。しかし、「011」が「緊急通報」になってしまう具体的理由までは把握できていないようだ。

 

 「011」が「緊急通報」になってしまう“遠因”には、企業や役所などの「経費節減対策」がある。構内電話交換機をもち内線電話を設置している企業や役所などが、NTTなどとの直接の外線(電話回線)契約の本数を見直し、利用が少ない外線契約をやめてコストダウンを図るのである。

 

 このときまず「FAX」が対象になる。一般的に、FAXは専用の電話番号でNTTなどからの直接の外線(電話回線)を接続してきた。それが、電子メールの普及によりFAX利用が極端に減って、専用の外線契約が“もったいない”から構内電話交換機に接続して、通常の会話通話で使う回線と共有して使おう、ということだ。

 

 そうすると、内線電話から「0(ゼロ)発信」で外線にかけるのと同様、FAX送信の際も「0(ゼロ)発信」で外線に切り替えてから、送り先の電話番号を入力する必要が出てくる。そして送り先が札幌市内の一部地域の場合、「118番」の“誤通報”が起こるのである。

 

 FAXを送るときは、先ず電話番号を入力して送信ボタンを押す、というのが一般的なので、例えば、札幌市外から札幌の市内局番が「8」で始まる白石区、豊平区、清田区、厚別区などへFAX送信する場合、ゼロ発信なら0-011―8〇〇-△△△△と入力して送信ボタンを押すことになる。

 

 ところが、ゼロ発への設定変更を知らなかったり、うっかり最初の「0」を忘れると、0-118の入力時点で「118番」の“誤通報”が発信されてしまい、海上保安庁に多大な迷惑をかけることになってしまう。ある意味“ワナ”だ。電話番号を正しく入力しても、結果が海上保安庁の業務の妨げになってしまうのだ。

 

 10年以上前に自分の職場が経験した失敗例だったが、FAXで内線を使わず主装置で常に自動的に「0」発信させる設定にすることで解決した。それ以降、誤通報は起こっていない。

 

 小樽で開催された1管のPRイベントの様子をみると、活動内容の紹介や着ぐるみマスコットなどファミリー向けの企画が目立っていた。「118番」の適正利用については、『「0(ゼロ)発と札幌011のワナ」に気をつけろ!キャンペーン』の全国展開を提案したいw