ニュースを聞いて、キャロル・キングの「空が落ちてくる」を連想した。原題は「I feel the earth move」という曲で、こころの“揺れ”の表現らしい。「空が落ちてくる」のは、「I feel the sky tumbling down」という歌詞の部分で、転がり落ちてくる、そんな感じがすると歌っている。

                

 

 空が落ちてくるわけがないから、安心して聞いていられるが、「空から金属部品が落ちてくる」のは恐ろしい。おととい、愛知県内の国道で、信号待ちの軽乗用車の屋根に上空から落ちてきた金属製の部品が当たり、運転していた女性が軽いけがをしている。こっちは垂直落下で、警察が詳しく調べているとのこと。

 

 クルマの屋根にぶち当たったのは、直径10センチほどの円盤状の金属製の部品で、重さおよそ600グラム、4本のボルトがついているということで、飛行機などから落下した部品の可能性もあるとのこと。

 

 不幸中の幸いでクルマの屋根だったが、それでも部品が当たった衝撃で車内のルームミラーが落ちて、運転者の腕に当たり軽いけがをしたそうだ。現場付近の防犯カメラの映像には“直撃”の様子が映っていて、直に人に当たったらと思うと、ゾッとする。

 

 こういう“事故”の話を聞くと、人工物が人の生活圏の上空を飛ぶようになるのは怖いし、避けてもらいたいと思う。2週間ほど前、上士幌町では国内第1号となる「レベル3.5」のドローンの実証飛行が始められたが、やがて「レベル4」となると“市街地上空”を目視外、補助者なしで飛ばせるんだとか。

 

 

 上士幌町の実証飛行では、ハンバーグ弁当と新聞が運ばれたが、「レベル4」が可能となって“市街地上空”をドローンが行き交う時代になったら、たまに不具合があって、ハンバーグ弁当が空から住宅地に落ちてくるのではないか?無落雪屋根に落ちたら、誰が回収に行くんだ?と心配が膨らんでいく。

 

 まあ、先の心配はキリがないとして、おとといの愛知県内の落下物は何だったのか?クルマの屋根は、長さ1メートル、幅30センチにわたってへこみ、15センチほどの亀裂が入ったということで、10センチ600グラムの破壊力はすさまじい。

 

 「空が落ちてくる」という曲のエンディングは「Tumbling down, tumbling down, tumbling down(落ちてくる、落ちてくる、落ちてくる)」だが、落下物にあらかじめ気づくのは容易でないから、そんなことつぶやいている暇はない。一瞬の衝撃で、脅威だ。早く真相が明らかになってほしいものだ。