畳の表替えを依頼した。経年による色褪せもあれば濃い茶色のものもあるし、表面の傷みも目立つので、少し部屋の雰囲気を変えたくなった。
 

 せっかく替えるんだから、畳の縁(へり)も少し違ったものにしたいと思っていたところへ、 見本が届いた。 見ると表に大きく「 tatami-border」とある。真ん中にも小さな横文字が並んで、どうやらブランド名と染色の丈夫さをアピールしている。開いてみると、実際の手触り感と品番で選べるようになっている。

 

 さて、どれにしようか迷う前に、見本の表紙が横文字だけなのが気になってしまった。そうか、畳の縁は畳ボーダーというのか、などと思いながら検索してみると、たくさんの中に、海外販売の拡大を伝える記事がある。そのうちに、東京都内の畳店の 「畳の輸出トップページ」に行きついた。なんと、69カ国以上に畳を輸出しており、「『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に当店の畳112枚が使用されました」とか「当店の畳300枚が、パリで行われたH&M ファッションショーで使用されました。」など華やかなPRまで載っていた。

 

 畳はもうこんなにも、世界中に行き渡っていた‥。タタミ=インターナショナル!

 

 遠い若かりし頃、職場の先輩が「サウジアラビアにタタミなし」と言って笑っていたのを思い出す。言葉遊びで「さわらぬかみにたたりなし」をモジったものだが、どちらも言えてるだろう?と言われ、まあ、そうかなと思ったりもした。

 

 早くに転職していって、その後会う機会がなかった先輩、聞こえますかー?今やサウジアラビアにも、ちゃんとタタミがあるのを知ってますかー?‥タタミはタタミボーダーともども、いつしかボーダー(国境)をやすやすと越えて、彼の地もタタミありですよーw

 

 そんなことを考えているから、 畳の縁をどれにするのか、なかなか決まらないw