ご存知 「三方六」は、柳月を代表する商品で、発売以来50年以上にもなるから、道民なら知らない人はいないだろう。そして、商品の製造過程で切り落とされた端っこが、工場のある音更町のスイートピア・ガーデンで毎日販売されていることも、今や広く知られていることと思う。この端っこは、“切れ端” という人もいるようだが、柳月では購入方法のアナウンスに三方六の“お買い得品”と表記している。完全数量限定品なので、レアものとして非常に人気が高い。

 

 商品は、円盤状の切れ端が3~5枚入って約1kgの袋詰になっており、直近ネット情報によればプレーン味が550円(10年前は確か470円だった)、メープル味が600円となっている。通常の「三方六」1本は、200gちょっとで680円(税込)だから、お買い得品は文字どおりのお買い得品で、手に取るとずしりと重い。

 

 このお買い得品、購入するためにはいくつかの条件があるが、何よりも開店前に行列して並んで、整理券を受け取る必要がある。この行列が、時に大変になることがある。特に、勝毎花火大会が行われた翌朝は注意が必要である。

 

 同店のオープンは午前9時。通常の日ならば20~30分前に並んでしまえば、数十人並んでいてもなんなく買える。ところが、シーズンになるとたくさんの観光客が十勝にやってくるので、情報を聞き付けた人たちで途端に行列の人数が増える。時には観光バスを仕立てたツアー客が丸ごと行列に加わるから、1台でも50人、2台来れば一気に100人が行列に加わることになる。 

 

 自らの経験では、勝毎花火大会のあった翌朝、300人ほどの行列ができて、開店までの間にも後ろに続々延びていったことがあった。おまけに店舗の入り口は建物の南側にあるので、行列は快晴の夏の日差しに容赦なくさらされた。幸いその日は、ギリギリ整理券を受け取れたが、後ろのほうでは、完売宣言にため息をついていた。

 

 スイートピア・ガーデンは、道東道の帯広・音更ICにほど近く、車で立ち寄るのにとても都合がイイ場所だ。ただし、時季によっては思わぬ混雑に巻き込まれることがある。勝毎花火大会が決行されても順延しても、翌朝スイートピア・ガーデンでお買い得品をゲットしようとするには、少し早めに並ぶのがよろしいようで‥。