令和三年を迎え、改めで目を海外に向ければ、
国際情勢は一夜明けて一変しているではないか。
まず、日本を含む世界の国々の政府と庶民が、武漢ウイルスに怯えながら生活している。
そして、我が菅内閣とマスコミは、
我が国の課題は「ウイルス対策だけ(only)」であるかの如くだ。
しかし、そのウイルス禍の元凶である中共が、世界大戦というべき細菌戦の勝利者の如く、
ウイルスに困窮する諸国にワクチンを供与してワクチンによる覇権拡大策を展開し始めた。
そして、アメリカでは、
その中共と全面対決姿勢を打ち出したトランプ大統領が引きずり下ろされて、
民主党のバイデン氏が、日本時間一月二十一日未明、新しい大統領に就任する。
しかし、昨年末の大統領選挙において、このバイデン当選に向けて展開された
民主党とリベラルとバイデン陣営の「謀略」の実態は得体が知れない。
表面では、多くのアメリカ国民が開票の不正を観たり、
一九〇〇年生まれの人がバイデン氏に郵便投票していたことを聞いたりしている。
しかし、これらは氷山の海の上に出ている小部分だけのことであり、
海面下の巨大な「国際的謀略の実態」は目に見えていない。
バイデン氏は、このような得体の知れない謀略の上に乗るアメリカ大統領となる。
よって、バイデン氏は当面、
就任当初からトランプ前大統領の取り組んだ施策を否定するための
多くの大統領令に署名することに専念するだろう。
実は、このために彼は当選させられたのだから。
トランプ政権の施策を否定して転換するのだから、
国内のリベラルと国外の中共とロシアは、歓迎する。
この中共とロシアとリベラルが歓迎するという点で、バイデン氏は、
彼が尊敬する民主党の第二次世界大戦期の大統領である
コミンテルン(ソ連)とリベラルが歓迎したF・D・ルーズベルト大統領と同じである。
このF・ルーズベルト大統領の直前大統領であったハーバード・フーバー大統領は、
回顧録「裏切られた自由(Freedom Betrayed)」のなかで、
「あの戦争(第二次世界大戦)は、一人の狂人(F・ルーズベルト)が起こしたものだ」
と言ったことが明らかになった。
まさに、三期目の大統領選挙の際、
「お母さん、あなたの息子は戦場には行かせませんよ」と公約して
三期目の大統領に就任したF・ルーズベルトは、
就任の六ヶ月後、海軍作戦部長のスターク海軍大将に、
「日本に対し石油を全面禁輸したらどうなる」と諮問し、
スターク大将が「確実に戦争になります」と答えたのを確認して、
日本に対して石油を全面禁輸(一九四一年八月一日)して、日本を真珠湾攻撃に導いた。
まさに、このF・ルーズベルトは「狂人」(悪魔)である。
そして、F・ルーズベルトが「狂人」ならば、
彼を尊敬するバイデン氏は「アルツハイマー」の噂があるので両者は似ている。
しかし、F・ルーズベルトの謀略は日本を嵌める為であり、
アメリカ国民は「リメンバー・パールハーバー」とF・ルーズベルトに騙されて団結できたが、
この度のバイデン陣営とリベラルの謀略は、
同じアメリカ人のトランプ支持者に向けられたものだ。
従って、アメリカ社会の分断は進み内戦に発展しかねない。
バイデン氏は、大統領就任式に国民が参加できない異常な就任式をする最初の大統領となった。
かつて、ロナルド・レーガン大統領は、
ソビエトを「悪の帝国」と断定し、
一九八三年三月に、核ミサイル防空システム(SDI計画)を築くと発表して、
ソビエトを崩壊に追い詰めていった。
このロナルド・レーガンを尊敬すると公言して、
中共を「悪の帝国」として全面対決姿勢を打ち出していたのが、ドナルド・トランプ大統領だ。
しかし、その時、バイデン上院議員は、レーガン大統領を「危険なカーボーイ」と非難していた。
従って、バイデン大統領は、
トランプ大統領の進めた対中対決姿勢を「転換」するだろう。
このことが、東アジアの情勢に如何なる影響を与えるか、
日本は覚悟すべきだ。
即ち、これから始まる国際情勢の変化は、
我が国に、東アジアと我が国の国防・安全保障に関し、
従来通り、アメリカに頼ることは出来ないと告げており、
我が国は尖閣と台湾を独自で守らねばならないと要求しているのだ。
つまり、戦後七十五年間、
我が国が国防を他人事のように真剣に考えず安楽に過ごすことができた「戦後体制」は、
外部つまり国際情勢において既に崩壊していることを知らねばならない。
そこで、「戦後体制」が外部で崩壊しているならば、
我が国内部でも「戦後体制」から脱却し、
厳しくなった国際情勢に即応できる体制の構築が急務ではないか。
これ、実に急務だ。ウイルス対策だけが急務ではない。
よって、最後に断言しておく。それは「戦後体制」とは何かということだ。
「戦後体制」とは「日本国憲法体制」のことだ。
従って、「戦後体制からの脱却」とは
「日本国憲法の無効宣言と廃棄」ということであり、
我が国の歴史と伝統のなかにある「不文の憲法」に回帰することだ。
我が国は、イギリスと同じ「不文の憲法」をもつ国であることを自覚しなければならない。
一昨年、先帝の譲位と新帝陛下の践祚があり、
次に大嘗祭と昨年元旦の四方拝という宮中の最重要な儀式が続き、
本年も天皇は四方拝を済まされた。
安倍内閣は、
先帝の「譲位」を、「日本国憲法」内で処理する為に、
内閣の決定による「退位」としたが、
この時、安倍内閣は、天皇陛下の意思を否定して、
フランスのルイ16世を退位させ断頭台に送った革命勢力と同じことをしたのだ。
これ、奸智による歴史の不敬な改竄である。
しかし、
まさしくこの度の御世代わりは先帝の決意に基づく譲位であった。
では、我が国家の最重要な手続きである
天皇の譲位から始まる新帝の践祚と前記最重要の儀式は如何なる規範によって行われたのか。
「日本国憲法」では、対処不能であるから、安倍内閣は事実を改竄した。
従って、この我が国の最重要な譲位とそれに伴う儀式は、
「日本国憲法」に基づいたのではなく、
我が国の歴史と伝統のなかにある「不文の憲法」に基づいてなされたことになる。
即ち、我が国の「不文の憲法」は今現在、
生きていて機能しているのだ。
先帝陛下は、このことを我々の眼前で見せてくださった。
このように、先帝陛下と新帝陛下は、
既に禁中(宮中)に関しては「日本国憲法」を越えられて、
我が国の「不文の憲法」の次元の中におられる。
即ち、既に「日本国憲法」は機能しなくなり、
我が国の「不文の憲法」が機能している。
従って、菅義偉内閣総理大臣は、
新年早々から毎日、都知事の老嬢に倣って、
武漢ウイルスへの細々とした対策ばかりを語っていてはならない。
菅総理は、
我が国の総理大臣として、国防の領域において決断しなければならない。
それは、
令和三年の厳しく急変する我が国周辺の国際情勢に対処し、
誇りある我が国家の尊厳と国民の生存を確保する為に、
我が国の歴史と伝統のなかに厳然として生きている
我が国の「不文の憲法」に基づいて、
まず、自衛隊は我が国の軍隊であること、
同時に、
我が国の万全の国防体制の確立に渾身の努力をする旨を宣言すべきである。
これが、本年の我が国に死活的に重要な
「災い転じて福と成す」
救国の決断だ。
(本稿は、大和新聞への寄稿文に加筆したもの)
令和3年1月20日(水)
兵士と猫