天皇、皇后両陛下をはじめ皇族方はゴールデンウイーク(GW)だったこの1週間、熊本県を中心に相次ぐ地震の被害にも配慮し、おおむね静かな日々を送られた。
天皇陛下は5月1日、皇居・宮中三殿で、国民の安寧を祈る「旬祭」に臨まれた。皇后さまは、儀式の間、皇居・御所で慎み深く過ごされた。陛下は毎月、1日の旬祭に臨んでいたが、75歳を迎えたのを機に平成21年に公務や宮中祭祀(さいし)の負担軽減が図られ、5月1日と10月1日のみ拝礼されることになった。掌典職によると、他の月は側近の侍従が代拝しているという。
6日、陛下は御所に警察庁の金高雅仁長官を招き、進講を受けられた。各省庁の事務次官クラスが順番に行う恒例のもので、進講内容は明らかにされないが、熊本地震の被害などについても説明があったとみられる。
皇后さまは4月30日、東京都千代田区の東京国立近代美術館で開催中の「安田靫彦(ゆきひこ)展」を鑑賞された。安田の代表作に、初代天皇である神武天皇が九州から東征する様子を描いた「神武天皇日向御進発」があるほか、皇居・宮殿にふすま絵や書が飾られるなど皇室とのゆかりも深い。
源頼朝と弟の義経が対面した場面を描いた「黄瀬川陣」に目を留めた皇后さまは「物語のその後を考えると、頼朝は華やかで義経は寂しそう」「(2人の)距離感が素晴らしいですね」などと関心を示されていた。
皇后さまは5月2日、吹上御苑内の野蚕(やさん)室で、日本原産種の「天蚕」の卵をクヌギの木につける「山つけ」に臨まれた。作業を終えた後、皇居内の「紅葉山御養蚕所」で養蚕作業を支える「主任」に新たに就任した代田丈志氏に、蚕の餌となる桑の葉について「芽吹きは順調ですか」などと尋ねられたという。
代田氏は、平成19年から主任を務めていた藤枝貴和氏が今年1月に死去したことに伴って就任。常陸宮さまが総裁を務められる大日本蚕糸会の蚕業技術研究所で嘱託研究員も務めている。伝統の養蚕作業を担うことに「今まで通りにやれればいいと思っています」と抱負を述べた。
皇后さまは6日、紅葉山御養蚕所で「御養蚕始の儀」に臨み、今年の養蚕作業に本格的に着手された。宮内庁によると、「蚕座」と呼ばれる飼育場所に孵化(ふか)して間もない蚕を羽ぼうきで丁寧に移し、刻んだ桑の葉を与えられる儀式だという。
養蚕は明治以降、代々の皇后が受け継いできた。約2カ月間にわたり、蚕に桑の葉を与える「ご給桑」、蚕をわらなどで編んだ網に移す「上蔟(じょうぞく)」、蚕が作った繭をその年に初めて収穫する「初繭掻(はつまゆかき)」などの手順を踏まれる。収穫した繭で紡がれた絹糸から布が織られ、宮中祭祀で供えられるほか、外国の賓客への贈り物などに使われる。
皇太子ご一家は、GW中に御料牧場などで静養することも多いが、今年は予定をお入れにならなかった。小町恭士東宮大夫によると、熊本地震の被害が拡大し、多くの住民が厳しい避難生活を送っていることを踏まえ、静かに過ごされたという。
秋篠宮ご夫妻は6日、日本との国交樹立150周年を迎えるイタリアを10~17日に公式訪問するのを前に、御所で両陛下にあいさつをされた。現地では記念の祝賀式典に臨席するほか、バチカンにも立ち寄り、ローマ法王フランシスコを表敬される予定。
スウェーデンを訪れていた高円宮妃久子さまは現地時間4月30日に70歳を迎えたカール16世グスタフ国王の祝賀行事に臨席するなどし、5月2日に帰国された。
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皇室ジャーナリストの髙清水有子がお送りする「今週の御皇室」。今回は、天皇・皇后両
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