熊本、大分両県で相次ぐ地震はこの1週間、天皇、皇后両陛下をはじめ皇族方のご活動に影響を及ぼした。宮内庁によると、多くの人々が厳しい避難生活を送っているとして、特に「華やかな催し」(宮内庁)へのお出ましを相次いで控えられた。
両陛下が臨席を取りやめられたのは、東日本大震災の支援に感謝する仙台フィルハーモニー管弦楽団の特別演奏会(17日)、伝統芸能奨励のための「四月大歌舞伎」(21日)、宮内庁楽部による「春季雅楽演奏会」(22日)。
雅楽演奏会には、皇太子さまをはじめとする皇族方も足を運ぶ予定だったが、お取りやめとなった。さらに、政府主催で22日に行われる予定だった「第10回みどりの式典」も、地震被害を考慮して中止となり、両陛下のご臨席もなくなった。
両陛下は19日、皇居・御所で、来日していたパナマのバレラ大統領夫妻と会見された。大統領が地震の犠牲者に哀悼の意を表したのに対し、天皇陛下は「今回の地震は長く続いているので、被災者は大変な思いをしていると思います」と話されたという。
地震被害には、皇室と交流がある各国の元首たちからもメッセージが寄せられた。
タイのプミポン国王は「王妃と私は、地震で人命が失われ、負傷者も出たことを悲しんでいる」とする陛下あての書簡を送った。中国国営新華社通信によると、習近平国家主席は「中国政府と人民を代表し、犠牲者に哀悼の意をささげる」とのお見舞いのメッセージを陛下に送った。
両陛下は20日午後、東京都千代田区の東京国際フォーラムで、科学技術を通じて社会に貢献した世界的科学者に贈られる第32回日本国際賞の授賞式に臨席された。スマートフォンの画面に使われる透明な半導体などの新素材を開発した東京工業大の細野秀雄教授ら2人に賞状が授与されるのを壇上でご祝福。夜に帝国ホテルで開かれた祝宴では、陛下が乾杯のあいさつをし、細野教授らと歓談された。
両陛下は20日、英国のエリザベス女王が21日で90歳を迎えるのに合わせ、祝電を送られた。21日夜に東京都千代田区の英国大使館で開かれた祝賀晩餐(ばんさん)会には、皇族方を代表して寛仁親王妃信子さまが足を運び、ヒッチンズ駐日大使に祝意を伝えられた。
皇太子ご夫妻の長女で、学習院女子中等科3年の敬宮(としのみや)愛子さまは17日、東京都豊島区の学習院目白キャンパス・創立百周年記念会館で開かれた「オール学習院の集い」の大合同演奏会に参加された。初等科管弦楽部にOBとして加わり、ブラームスのハンガリー舞曲第5番などでチェロのパートを演奏された。
ご夫妻は愛子さまの演奏を鑑賞し、皇太子さまは演奏会の一部に出演する予定だったが、地震被害に配慮していずれも取りやめられた。
秋篠宮ご夫妻は18日、東京都港区の明治記念館を訪れ、産業の発展と地球環境との共生を目指し、温暖化の防止や環境保全活動に熱心に取り組む企業や団体を表彰する第25回「地球環境大賞」(主催・フジサンケイグループ)の授賞式にご臨席。式典の冒頭、出席者とともに地震の犠牲者に黙祷(もくとう)をささげられた。
秋篠宮さまは、あいさつの中でも犠牲者に哀悼の意を示した上で、「被災し、避難されている多くの方々に対し、心からお見舞いを申し上げます」と述べられた。
また、地球レベルの気候変動などを踏まえ、「今後とも、日本の優れた技術や知識が地球環境の保全に貢献し、世界の発展に寄与していくことは、誠に大切なことと考えます」と語りかけられた。
【今週の御皇室】天皇陛下の御言葉、熊本地震についてのお見舞い[桜H28/4/21]
皇室ジャーナリストの髙清水有子がお送りする「今週の御皇室」。今回は、熊本地震発災
◆平成28年熊本地震による災害についてのお見舞い
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