拉致問題の闇(3)スパイと日本人 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

平成28年2月4日(木)

 日本にある朝鮮大学校の幹部・元副学長の朴在勲が逮捕された。
 罪名は詐欺容疑であるが、
 朴は、北朝鮮の対外情報機関「225局」から指示を受けて、
 日本を拠点に北朝鮮工作員に工作資金を渡して動かす司令塔の役割を担っていた。
 朴は、日本で工作員に現金を渡したり、
 国際キャッシュカードを渡して現地で工作資金を引き出させていたとみられ
 警視庁公安部は、資金の流れや指示系統の実態解明を進める(以上、2月3日産経新聞夕刊)。

 つまり、朴在勲は、北朝鮮のスパイである。

 朝鮮大学校は、「美濃部革新都政」の時代に認可された北朝鮮の大学校で、
 全国にある北朝鮮系の朝鮮小学校、中学校そして高校の頂点に立つ。
 それ故、北朝鮮系の在日朝鮮人社会では、朝鮮大学校の卒業者はエリートであり、
 朝鮮大学校は日本で北朝鮮政府の意の下に活動する朝鮮総連への人材供給源である。
 
 この朝鮮大学校の幹部が、北朝鮮のスパイであったことが判明した訳だ。
 
 よって、警視庁公安部は、朴在勲からの「資金の流れや指示系統」だけではなく、
 スパイが幹部である朝鮮大学校は、
 在日の師弟に「一体何を教育しているのか」、
 その実体解明を進めて欲しいものである。

 さて、スパイの問題を考える場合に、
 ソ連の週刊誌ノーボス・ブレーミャーの特派員として日本に滞在していたソ連国家保安委員会(KGB)のスパイであるスタニフラス・レフチェンコ少佐が、
 一九七九年(昭和五十四年)にアメリカに亡命して三年後の一九八二年、
 アメリカ下院情報特別委員会の秘密公聴会で如何なる証言をしたかを思い出さねばならない。

 彼は語った。
①任務は日本の世論をソビエトに有利なように誘導して日米関係に亀裂を生み出すことである。
②その為に、政界、財界、官界そしてマスコミ界の日本人協力者(エージェント)二百名と接触していた。
③多くの日本人は、自分がソビエトに協力しているという意識なく協力してくれた。
④日本は「スパイ天国」である。

 そこで、朴在勲逮捕を切っ掛けに、ここで強調したいことは、次の三つである。
①スパイの天国である日本社会においては、誰がスパイか全く分からない。
②従って、スパイは、やりたい放題である。
③そして我々は、スパイに協力しているという意識なく協力している。

 その結果、何が起こっているのか。その例を思いつくままに挙げると、

 警察は、
 日本人拉致犯人(容疑者)に対する逮捕状は、
 日本国外にいて逮捕できない犯人に対しては取っているが、
 日本国内にいて逮捕可能な犯人に対しては取らない。
 警察は、
 朝鮮総連本部の家宅捜索を実施しない。

 自由と人権と平和を掲げる政党と議員ほど、
 北朝鮮が日本人拉致を認めるまで、拉致はでっち上げだと日本人を非難し北朝鮮を擁護していた。

 全国の地方自治体の多くは、
 管内にある朝鮮学校に補助金を出すのが当然として疑わなかった。

 北朝鮮と在日朝鮮人に関する批判的発言に対しては、
 「ヘイトスピーチ」というレッテルを貼って封印しようとする風潮が異様な高まりをみせている。

 ・・・きりがないので止めるが、
 国民を守ることが政治の最大の使命であるのに、選挙において、
 拉致問題、即ち拉致被害者救出は、
 票にならないという冷笑に似た評価が肌に伝わって来るのも事実である。
 国民の救出を訴えることが、何故、敬遠されるのか。
 その証拠に、与野党の大政党は、拉致問題を真っ正面に掲げない。
 
 また、私は、拉致問題を国会で取り上げた時に、
 身辺に気をつけてくださいという警告を受けたが、
 北朝鮮国内で北朝鮮による日本人拉致を取り上げたのならともなく、
 日本国内で日本人救出を訴えた者が、何故、身の危険を警告されることになるのか、
 私には謎である。

 これが、「スパイ天国」の実態である。
 
 この彼らスパイ・工作員の天国のかなで、
 日本政府と我々は、
 数百名の日本人同胞が拉致されていることを察知できず、
 如何にして救出するのか、断固として方針も定まらない。
 これ、まことに深刻な惨害ではないか。
 
 よってスパイ防止法と統合情報機関の創設が急務である。


西村眞悟の時事通信より