安倍内閣の拉致被害者救出とは村山富市路線なのだ! | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

平成27年12月21日(月)

 はや師走もあと十日になった。
 例年、この時になれば思う。
 拉致被害者は、もっと寒い北朝鮮に放置されていると。
 
 政府の拉致対策室と拉致対策担当大臣は、いつの間にか、
 毎年、この時を「拉致の月間」として「行事」をする。
 「行事」とは、コンサートを開いたり、被害者家族に集まってもらって軽食パーティーをしたり、だ。
 
 はっきり言って、どうも胸糞悪くなるのだ。
 
 何をやっとるんだ、と。十二月は、コンサート・パーティー月間か。
 政府は、年々歳をとる拉致被害者家族に音楽を聴かせて美食を提供したら喜ぶとでも思っているのか。
 
 何故、政府しかできないことをしない。
 例えば、国内では、「北朝鮮工作網壊滅大捜査月間」として、
 朝鮮総連本部及び支部への強制捜査、拉致犯人逮捕、脱税摘発。
 日本海では、陸海空自衛隊と海上保安庁と警察による邦人救出大軍事演習、
 海外では、各国に設置してある全在外公館が北朝鮮に拉致された被害者の写真展を開いて救出を訴える。
 政府は、何故、靖国神社近くの朝鮮総連本部ビルから朝鮮総連を退去させないのか。
 政府は、何故、制裁を強化しないのか。
 ・・・できることは山ほどあるではないか。

 胸糞悪くなるもう一つの理由は、
 あの昨年五月の日朝ストックホルム合意だ。
 政府は具体的には外務省は、
 拉致被害者の特別調査をすると約束した北朝鮮に騙されて制裁を解除した。
 それから一年半、政府から、騙された痛恨の思いの表明はなく、
 合意を自画自賛していたあの局長も異動して誰も責任をとらない。
 そのうえで、コンサートと会食をやっとる。
 胸糞悪いではないか。
 安倍総理は、拉致被害者救出は安倍内閣の最大の課題だと言った。
 その最大の課題で、また、北朝鮮に騙された。
 安倍総理の、北朝鮮に対する痛烈な見解の表明と行動があってしかるべきではないか。

 さらに、ストックホルム合意とは何か。
 それは、小泉純一郎氏と金正日の「平壌宣言」に基づく合意である。
 では、その「平壌宣言」とは何か。
 世間に流布されたように「拉致被害者救出の合意」か。
 違う。それは、レッテルの詐欺であり、
 次の表明のもとで「日朝国交正常化交渉」を再開するために、
 日本が巨額の金を北朝鮮に支払う合意だ。
 以下、平壌宣言第2項
 「日本側は、過去の植民地支配によって、
 朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、
 痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。」
 即ち、小泉純一郎は、平成十四年九月十七日、
 平壌で村山富市と同じことを表明し、
 痛切な反省と心からのお詫びをしたのだ。

 これで明らかだろう。
 小泉訪朝による日朝交渉以来の、「拉致被害者救出」のレッテルを貼った外務省主導の路線は、
 実は、村山富市談話に基づく北朝鮮に巨額のカネを支払って国交を樹立する路線なのだ。
 
 そこで問う。
 ISにカネを渡す国、核ミサイルを開発する無法国家にカネを渡す国を何というのか。
 そう、「テロ支援国家」である。
 従って、平壌宣言からストックホルム合意、そして現在まで、
 我が国政府は、テロ支援国家への道を進んでいるのだ!
 
 政府は、この本質を隠して、
 十二月には、拉致被害者家族のためのコンサートと会食パーティーだと!
 胸糞悪いではないか。
 それどころか、
 外務省路線推進者に鉄槌を下さねばならん。
 
 安倍総理、貴官は、
 欺瞞の平壌宣言の時から側におったが故に、
 村山富市談話から脱却できず、
 この路線を変えることができないのか!


西村眞悟の時事通信より