
サクランボ農家で「佐藤錦」の収穫を体験される天皇、皇后両陛下=18日、山形県東根市
葉山御用邸(神奈川県葉山町)で10日から静養していた天皇、皇后両陛下は14日、帰京された。宮内庁の山本信一郎次長は15日の定例会見で、「天気にも恵まれ、ゆくっりしていただけた」と述べた。
17、18日には、5回目となる私的旅行で宮城、山形両県に出かけられた。四季折々の自然を楽しむなどしてリフレッシュしてもらうのが目的だが、両陛下の強い希望で宮城県蔵王町の開拓地に立ち寄り、入植者の苦労に思いをはせられる訪問となった。
蔵王町の北原尾(きたはらお)地区は「北のパラオ」に由来。日本の委任統治領だったパラオ共和国から戦後に引き揚げてきた約30世帯の人々が開拓した。雑木林を伐採して大豆や小麦の栽培を始め、毎年のように冷害に悩まされた末に酪農に活路を見いだした。
現在も約20世帯が生活するが、引き揚げ者の一人で北原尾農事組合長の工藤静雄さん(73)によると、親の世代は全員が亡くなった。両陛下は、4月に戦没者慰霊でパラオを訪問する直前に北原尾の苦難の歴史を知り、気に留められていたという。
両陛下は17日、同地区に平成23年に建てられた開拓記念碑の前で、工藤さんら引き揚げ者の3人とご対面。引き揚げ時に14歳だった佐崎美加子さん(83)を、皇后さまが「苦労したでしょうね」とねぎらわれた。
佐崎さん一家が入植直後に住んでいたという粗末な家の写真を見て、天皇陛下は「(窓に)ガラスもなくて寒かったでしょう」と気遣われた。さらに、近くの会場に移り、3人と約15分間にわたって懇談された。
戦後にパラオから引き揚げてきた佐崎美加子さんらに声をかけられる天皇、皇后両陛下=17日、宮城県蔵王町の北原尾地区
18日には、山形県東根市の岡田誠さん(67)のサクランボ農園をご見学。岡田さんの祖父は「佐藤錦」の育ての親とされ、同園には原木から3代目となる樹齢約70年の木がある。両陛下はサクランボ狩りを初めて体験し、真っ赤に色づいた実を摘み取り、その後、試食もされた。
香淳皇后の崩御から15年となった16日、皇居・宮中三殿の皇霊殿で例祭の儀が営まれ、両陛下、皇太子さまはじめ皇族方が参列された。武蔵陵墓地(東京都八王子市)にある武蔵野東陵での儀式には秋篠宮ご夫妻が臨まれた。
皇太子ご夫妻は16日、東京都新宿区の子育て支援施設「ゆったりーの」で、絵本の読み聞かせの様子をご見学。皇太子妃雅子さまは、利用者の親子に「かわいいですね」と笑顔で語りかけられた。おもちゃを持った女児(2)が転倒して目の前の皇太子さまにぶつかり、ご夫妻がお笑いになる場面もあった。
子育て支援施設を訪れ、利用者の親子と歓談される皇太子同妃両殿下=16日、東京都新宿区
両陛下が「こどもの日」にちなんで児童施設を訪問されてきたのを、皇太子ご夫妻が今年初めて引き継がれたもの。秋には「敬老の日」にちなみ、秋篠宮ご夫妻が高齢者施設を訪問される予定。
発明協会総裁の常陸宮さまは17日、常陸宮妃華子さまとともに東京都港区のホテルオークラ東京で開かれた「全国発明表彰式」にご臨席。皇室のご下賜金を元にした恩賜発明賞が、トヨタ自動車の「燃料電池を急速暖機する制御方法の発明」に贈られた。
常陸宮さまは式の席上、「わが国がイノベーションを推進するためには、人材の育成が極めて重要です。受賞者の皆さんには、なお一層の研鑽(けんさん)と後進の育成に努められることを願ってやみません」とお言葉を述べられた。
11日からスウェーデンを訪問していた高円宮妃久子さまは13日に首都ストックホルムの王宮で開かれたカール・フィリップ王子の結婚式にご参列。15日に帰国し、「華やかで心温まる式でした」と感想を述べられたという。
産経ニュース
【今週の御皇室】天皇皇后両陛下の北原尾ご訪問、髙清水の白石訪問[桜H27/6/18]
皇室ジャーナリストの髙清水有子がお送りする「今週の御皇室」。今回は、天皇・皇后両
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