AIIBは地獄行きのバス。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

財務省は徹底的に戦え!



★ニュースディープスロート 倉山満

 Q.アジアインフラ投資銀行への日本の「参加見送り」をマスコミは批判しているが?
  
 中国が胴元のバクチを礼賛している暇があるなら今の“好機”を見極めろ!

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 時は来た! 今こそ日本の力を世界に示す時である。バスに乗り遅れるな。マスコミは大合唱しているが、無視せよ。地獄行きのバスなのだから。AIIB(アジアインフラ投資銀行)のことだ。中国が、イギリスをはじめ欧州諸国を巻き込んで出資者を集めた。

 そもそもAIIBなど中国が胴元のバクチではないか。しかも中国は、日米が過半数の株を有するアジア開発銀行から多額の債務を負っている。他国に投資をする暇があれば、借りたカネを返してからにしろ。どうして、こんなものに日本が付き合う必要があるのか? なお、日本国内でAIIB参加に最も抵抗しているのが財務省である。理由は、財務省の天下り先であるアジ開の立場がなくなるということらしいが、動機が不純だろうが何でもよい。財務省よ、今度ばかりは応援する! 中国と徹底的に戦え。 とことんやれ!

 それにしても、イギリスまでがアメリカが止めるのも聞かず、AIIBに参加した。何の魂胆があるのかは知らないが、それは事態が推移すれば、誰の判断が正しかったのか明らかになるだろう。

 ■オバマはもっとも反日的ではない民主党大統領

 片や、アメリカがキューバと国交を正常化し、テロ支援国家リストから外した。キューバは、南北アメリカ大陸の中で最も反米的だっただけに、隔世の感がある。

 アメリカはウクライナ問題で対露関係が緊張するなか、ソ連が核兵器を持ち込んだキューバ危機のような事態を予防したかったのだと思われる。あるいは、中間選挙で大敗したオバマが、最後の実績づくりをしたかったともいわれる。彼が就任当初にノーベル平和賞をもらったことは、みんなが忘れているので実績にならないのかもしれないということか。

 日本では、安倍首相が一昨年に靖国神社参拝したときに「失望した」などと発言したことをとらえて反日的な大統領だと看做す向きがあるが、どうだろうか。

 少なくとも、ウッドロー・ウィルソン以来、最も反日的ではないアメリカ民主党大統領だ。

 ウィルソンは第一次大戦の時に同盟国でありながらことごとく日本に喧嘩を売ってきた。F・ローズベルトは第二次大戦を仕掛けてくれた。トルーマンは原爆を落としてくれた。ケネディとジョンソンは比較的マシだが、ベトナム戦争に巻き込んでくれた。カーターとクリントンは親中政策で東アジアの秩序をかく乱してくれた。

 オバマは、1期目に外交に興味をなくし、再選するや内政にも興味をなくし、最大の関心事が「ゴルフ」という稀有な大統領である。

 AIIBに日米が入らないことで逆に中国が秋波を送ってきた。つまり、世界中の経済大国が組んでも日米にはかなわないのだ。

 好機を自覚せよ。

 ◆中国主導のAIIBの創設メンバーは57か国

 中国政府は4月15日、自国が主導するAIIBの創設メンバーが57か国になったと発表した。日米両国は参加を見送ったものの、国連安保理の常任理事国4か国をはじめ、EU加盟国28か国のうちの14か国、OECD(経済協力開発機構)加盟の34か国のうち21か国が参加を決めたため「出遅れ」との批判も

 ■倉山 満●憲政史研究者 くらやまみつる◎’73年生まれ。中央大学大学院時代に日本近現代史の泰斗、鳥海靖教授に師事し、在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤講師を務める。’12年より希望日本研究所所長。シリーズ30万部目前のベストセラー『嘘だらけの日露近現代史』(扶桑社新書)が好評発売中

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