台湾防衛は、我が国の個別的自衛権行使の領域である。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

ウクライナ情勢、欧州は「夢遊状態」で危機に直面



平成27年2月23日(月)

 今日の産経新聞に、
ウクライナのヤヌコビッチ前政権が崩壊して二月二十二日で一年経ったので首都キエフで追悼行進が行われたこと、イギリス上院のEU委員会が、
欧州が「夢遊状態」でウクライナ危機に直面したと表現した報告書を公表したことが報道されている。
 
 記事は続けて、欧州では昨年以来、ロシア軍との軍事的な緊張感が高まっていると報じ、
イギリスのファロン国防相が、
ロシアがバルト三国に介入する可能性を本物かつ現実的な脅威だと表現し、NATO(北大西洋条約機構)はロシアの侵攻に備える必要があると警鐘を鳴らしているという。

 ロシアは昔から虎ではなく熊に喩えられる。
 欧州は、その熊の短い尻尾をキエフで踏んだのだ。

 昨晩、テレビのニュースで、ヤヌコビッチ政権崩壊一年の「追悼行進」が放映されていたので、
先月のパリで行われたイスラム過激派による新聞社に対するテロに抗議するデモ行進と同じ様に、
フランスとドイツの極楽とんぼが参加していないかとテレビ画面を観た。
 仏独の両首脳は参加していなかったが、EU連合の「トゥスク大統領ら」が参加したという。
 もし、仏独が参加していたなら、
 やはり「夢遊状態」であると表現する以外にない。

 二百年前にフランス軍が、七十五年前にドイツ軍が、
 それぞれキエフを制圧してロシアのメインランドに雪崩れ込んできた。

 一九六二年十月のアメリカ大統領ケネディにとって、キューバがレッドラインなら、
 二〇一四年二月のロシア大統領プーチンにとって、キエフがレッドラインである。

 イギリス上院は、
 欧州がロシアの思惑を読み誤りウクライナ危機を深刻化させた、
「夢遊状態」だったと反省しているのであるが、
 ケリーアメリカ国務長官は
「ロシアはこの数日、恥知らずで停戦に否定的な行動をしている」と非難し、
 ハモンドイギリス外相も、
 ロシアによる停戦違反が続いていると批判したという。

 しかし、十九世紀以来、
 「そもそもロシア人は約束は破るものだと思っている」とは、
 君たちが日本に教えてくれたことではなかったのか。
 ちなみに、中国人は、
 「そもそも約束は守るものだとは思っていない」と君たちは言った。
 そして私は言う。
 アングロサクソンは、
 「綺麗事で飾るのが上手いが、行動はその反対の偽善者である。」

 そこで、欧州とウクライナの情勢を他人事と思っていてはならない。
 我が国は、今こそ、プーチン、ケネディの決断と行動、
 そして、イギリス上院の「夢遊状態」だったとの反省をかみしめ、
 我が国にとってのレッドラインは何処かを明確に意識しておかねばならない。

 国際社会は、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」(日本国憲法前文)動かないのである。
 ケネディとプーチンの基準で動くのである。

 では、我が国にとってのキューバそしてキエフは、何処か。
 それは、台湾である。
 台湾防衛は、
 我が国の個別的自衛権行使の領域である。

西村眞悟の時事通信より。