「建国記念の日」に両陛下が毎年なさっていることは?
久子妃殿下、ご自身で撮影した野鳥の写真の展覧会でご説明。
天皇、皇后両陛下は9日、4日から静養していた葉山御用邸(神奈川県葉山町)から車で皇居へ戻られた。雨の日もあったが散策などをされたといい、昨年末以来、公務などでお忙しい時期が続いていたことから側近は「久しぶりにゆっくりお過ごしいただけたのではないか」と話した。
「建国記念の日」の11日、天皇陛下は皇居・宮中三殿で拝礼された。「日本書紀」を元に初代天皇の神武天皇が即位した日として明治時代に「紀元節」となった2月11日は、戦後に宮中祭祀(さいし)の「紀元節祭」は行われなくなった。しかし、陛下は昭和天皇と同様に毎年拝礼され、皇后さまはその間、お住まいの御所でお慎みになっている。
両陛下は12日、来日していた赤十字国際委員会のペーター・マウラー総裁をお住まいの皇居・御所でのお茶に招き、懇談された。
皇室は、古くから赤十字とのゆかりが深い。明治天皇の皇后の昭憲皇太后が贈った資金をもとに、開発途上国での赤十字事業を毎年支援している「昭憲皇太后基金」は、赤十字国際委員会などが管理。基金創設100周年の平成24年などの折に、両陛下からのご下賜金で増額されている。現在も日本赤十字社の名誉総裁には皇后さまが就かれ、皇太子ご夫妻、秋篠宮妃紀子さまをはじめ多くの皇族方が名誉副総裁を務められている。
両陛下は12年の欧州訪問時、スイス・ジュネーブの赤十字国際委員会本部に立ち寄られたが、そこには明治天皇と昭和天皇から贈られた花瓶や皿が飾られていた。こうした交流もあることから、両陛下は総裁来日時、お茶やご昼餐(ちゅうさん)にたびたび招かれている。
陛下は13日、皇居・宮殿に青森、富山、奈良、徳島、大分の各県知事や高市早苗総務相、総務副大臣らを招き、地方事情について話を聞き、次いで午餐をともにされた。皇太子さまも陪席された。各地の知事を順に招いたこの行事は毎年12月に行われることが多いが、昨年は同月に衆院選があったことからこの時期に。24年12月に衆院選があった際も25年2月に招かれた。
皇太子ご夫妻は9日、お住まいの東宮御所(東京都港区)で、初来日したタイのプラユット首相夫妻とお会いになった。
結核予防会総裁を務める紀子さまは9、10日、東京都千代田区のホテルで行われた結核予防関係の婦人団体中央講習会に参加された。
同会によると、初日は開講式であいさつ後、結核に関する講義をお聞きになった。2日目は約3時間にわたってご参加。全国の婦人会会員約110人が、結核の予防や啓発を中心とした活動についてグループディスカッションする様子を見守られたという。
結核予防に関する婦人団体中央講習会の開講式であいさつされる秋篠宮妃紀子殿下=9日、東京都千代田区
国際環境NGO「バードライフ・インターナショナル」名誉総裁の高円宮妃久子さまは11日、横浜市にある日本庭園、三渓園を訪れ、ご自身が撮影した野鳥の写真約50点の展覧会「鳥たちの煌(きら)めき」(19日まで)のオープニングセレモニーに出席された。
あいさつでは、「宮さまが遺してくださった機材をどうにか使うべきではないかと思って、そのテーマとして自分が好きな鳥を選びました」と、平成14年に薨去(こうきょ)した高円宮さまが愛用のカメラを遺されたことをきっかけに、本格的に撮影を始めたことを明かされた。
会場には横浜のカワセミ、次女の千家典子さんの嫁ぎ先でもある島根県の出雲平野のサギのほか、アルゼンチンのヤマセミなど国内外の鳥たちの表情が並び、久子さまは鳥たちを「この子」とにこやかに呼びながら、関係者に撮影の様子を説明された。
国内外の鳥を撮影した写真展「高円宮妃殿下写真展~鳥たちの煌き~」をご覧になる高円宮妃久子殿下=11日、横浜市の三渓園「白雲邸」国内外の鳥を撮影した写真展「高円宮妃殿下写真展~鳥たちの煌き~」で、海外の関係者らに解説される高円宮妃久子殿下=11日、横浜市の三渓園「白雲邸」
産経ニュース