【皇室ウイークリー】(369) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

葉山御用邸裏の海岸を散策される天皇、皇后両陛下=4日、神奈川県葉山町(鴨川一也撮影)


両陛下、葉山の海岸をご散策。
住民らに「どちらから?」と尋ねられご交流。
雅子妃殿下、被災3県の高校生と1年半ぶりご再会。


 天皇、皇后両陛下は4日から葉山御用邸(神奈川県葉山町)に移り、9日までの予定で静養に入られた。

 年末年始の宮中行事が1月の「歌会始の儀」で一段落するこの時期のご静養は恒例だが、今年は特に同月下旬、天皇陛下に風邪の症状がおありだったこともあり、「ゆっくりしていただく」(側近)貴重な機会となった。

 葉山御用邸は目の前が砂浜などの海岸で、両陛下は4日午後にご散策。途中、近隣住民や遠方から訪れていた人々に声をかけられた。日程が立て込んでいる普段は側近が「そろそろお時間が…」と声をかけざるを得ないことも多いが、静養中のこの日、両陛下は「どちらから?」と尋ねてゆっくり話を聞き、ひとときの交流を楽しまれていた。

 皇后さまは6日、静養先の葉山御用邸から一時帰京し、東京都新宿区内のホールを訪れ、平成25年に死去した作曲家、三(み)善(よし)晃(あきら)さんの追悼コンサートを鑑賞された。皇后さまは3人のお子さまが幼少時に詩人、宮崎湖(こ)処(しょ)子(し)の詩「おもひ子」にメロディーをつけ子守歌として歌っていたが、のちにこれを三善さんが編曲するなど、音楽を通じて長い交流があったことから、静養先から駆けつけられたという。

三善晃さんの追悼コンサートを鑑賞されるため、東京オペラシティコンサートホールに訪問された皇后陛下=6日、東京都新宿区

 皇太子ご夫妻は3日、お住まいの東宮御所で、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の高校生5人と1年半ぶりに再会し懇談された。

 5人は、経済協力開発機構(OECD)などによる復興人材育成プログラム「OECD東北スクール」に参加した中高生の代表。参加者約100人は昨年8月、復興イベント「東北復幸祭」を仏パリで開き、被害状況や復興の現状などを自ら企画して世界に紹介した。ご夫妻はスクールの活動に関心を寄せ、準備中の平成25年夏にも東京都内での発表会で5人を含むメンバーと懇談されていた。

 この日、ご夫妻はパリでの体験談を熱心に聞かれ、懇談は予定を大きく超えて50分間に及んだ。出席者によると、皇太子妃雅子さまは宮城県気仙沼市出身で仙台育英高校2年の小山結(ゆ)有(う)さん(17)に「気仙沼の状況は今どうですか」と尋ねられた。ご夫妻は「地元のためにこれからも頑張ってくださいね」と励まされたという。

 

東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島各県の高校生と懇談される皇太子同妃両殿下=3日、東京・元赤坂の東宮御所(宮内庁提供)
 
 皇太子さまは6日、東京都千代田区内で開かれた「青少年読書感想文全国コンクール」の表彰式に臨席された。あいさつでは小説「赤毛のアン」の一節を引用し、「学校生活を送る中で、あるいは学校を卒業後も、さまざまな曲がり角に出会うでしょう」「その先にあるものがよいものであるという希望を持って、未知の世界に羽ばたいていっていただきたいと思います」と語りかけられた。式後のパーティーでは受賞した小中高校生と懇談された。

 小町恭士東宮大夫によると、雅子さまも臨席を希望していたものの、表彰式が1時間以上に及ぶことや、週に2度目の公務となることなど、ご体調への影響を考慮した医師の判断から、やむなく取りやめられたという。

 秋篠宮妃紀子さまと次女の佳子さまは1日、東京都渋谷区の国立能楽堂で、聴覚障害がある俳優らによる「手話狂言」を鑑賞された。

 手話狂言は出演者が手話でせりふを表現するのと同時に狂言師の声も会場に流れるもの。紀子さまは学生時代から手話を学ばれているが、佳子さまも昨秋に鳥取県で行われた「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」に紀子さまと臨席するなど、手話への理解を深められている。佳子さまは能楽堂を出発する際、懇談した一人一人に手話で「ありがとう」と伝えられた。

手話狂言を鑑賞するため、国立能楽堂を訪問された秋篠宮妃紀子殿下と次女の佳子内親王殿下=1日、東京都渋谷区


産経ニュース