在日朝鮮人の非公然組織「洛東江」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 
【北朝鮮拉致】
産経ウェスト

関与は…田中実さんら拉致関与疑いの元ラーメン店主、ひっそり死亡



 北朝鮮による拉致被害者で神戸市出身の田中実さん=拉致当時(28)=と、特定失踪者の金田竜光さん=失踪当時(26)=の失踪に関与したとして、救う会兵庫(長瀬猛代表)が国外移送目的略取罪で兵庫県警に刑事告発していた元ラーメン店主の男(73)が、今年春に死亡していたことが1日、関係者への取材で分かった。病死とみられ、捜査当局も死亡を把握している。

 関係者などによると、田中さんと金田さんは失踪直前、元店主が経営していた神戸市東灘区のラーメン店に勤務。田中さんは昭和53年6月、元店主から海外旅行に誘われ、成田空港からオーストリア・ウィーンへ出国後、消息を絶った。

 翌54年には、オーストリアから投函(とうかん)された田中さんが差出人の国際郵便が金田さんに届き、金田さんは東京に向かったまま行方が分からなくなった。

 救う会兵庫は、2人の失踪には、元店主と、指示役とされる在日朝鮮人の非公然組織「洛東江」の元最高幹部の男(77)が関与したとして、平成14~15年に、国外移送目的略取罪で兵庫県警に刑事告発した。

 元店主は晩年、青森県八戸市に転居。糖尿病を患っていたとされる。15年、産経新聞の取材に「元最高幹部が一部始終を知っている。(彼に)話をさせるべきだ」と答えていた。

身寄りない2人を狙う?

 田中実さんは幼少期、両親の離婚で身寄りがなく、神戸市内の児童養護施設で育った。金田竜光さんも同じ施設で過ごしており、関係者は、2人が勤めたラーメン店の元店主が「身寄りのない2人だから狙ったのではないか」と推測する。

 関係者によると、田中さんは神戸市内の高校を卒業後、事務機器販売会社などで勤務。その後、金田さんの紹介で、元店主のラーメン店で勤務するようになったという。

 田中さんらをよく知るという男性は、産経新聞の取材に対し「田中さんは元店主を家族のように慕っていた」と打ち明ける。元店主は「田中さんらに仕事を任せて遊び回っていた」といい、「マージャンで負けて借金していたと聞いた。お金が必要だったのではないか」と推察した。

 これまでの捜査当局の調べで、田中さんが周囲に「(元店主に)頼まれた手紙を北朝鮮に持っていけば大金が手に入る」「北朝鮮へ中華料理を作りに行く」などと語っていたことが判明している。

 捜査当局は、田中さんがだまされて拉致されたと判断。政府は平成17年、拉致被害者に認定した。一方、金田さんについては特定失踪者問題調査会が15年7月に氏名を公表した。