No.1004 平成26年 8月25日(月)
陸上自衛隊の実弾を使う最大規模の総合火力演習が、
二十四日午前十時から十二時まで、御殿場の富士山の裾野に広がる雄大な東富士演習場で行われた。
例年と同様、同志と伴に前日にバスで堺を出て雨の中を走り御殿場の富士社会教育センターで一泊し、翌二十四日午前九時、演習場に着いた。
雲量は8~10で、富士山は裾から上は雲に隠れていた。火砲の着弾地点の三段山なども雲に隠れていた。
ところが、演習が始まると、三段山が見えるようになり、150ミリ榴弾砲などの砲弾が三段山に炸裂するのが見え、約7、8秒後に大きな着弾音が届いた。
そして、演習の終わる頃には、富士山頂が姿を顕した。
日本列島が不安定な気圧配置に包まれた中で、幸いにも天候に恵まれた演習だった。
まず、冒頭、隊員の日頃の努力に対し。
本演習において、我が自衛隊・国軍が、厳しい訓練を積み重ねた精強なる部隊であることを国民に示してくれた演習参加全自衛隊員に敬意を表し感謝する。
広大な演習場の数百メートル先に展開する貴君ら隊員の一挙手一投足からも鍛え上げられた練度が伝わってきた。
また、本演習が、尖閣諸島に上陸して占拠する敵を、陸海空軍が連携し共同して殲滅し、以て国土を防御することを具体的に想定していたことを評価する。
何故なら、国土防衛とは具体的であるからだ。
その上で、本演習を企画し運用している政府・防衛省にもの申す。
1、演習場に国旗「日の丸」が一切無いのは何故か。
日々訓練を続ける自衛隊員は、国民に娯楽としてのコンバットゲームを見せる為にあるのではないぞ。
自衛隊員は、身の危険を顧みず職務を遂行すること、
つまり国家の防衛のために命を捧げること、を宣誓して日々の訓練を続けている。
従って、その国家防衛の為の訓練の成果を国民に見せる本演習においては、特に「国家」を示すもの即ち「国旗」が掲げられていなければならない。
本演習は、冒頭に、国旗入場と君が代演奏による国旗掲揚を行って開始するべきである。
また、防衛大臣は、コンバットゲームの主催者ではないのだから、「観客」に手を振りながら入ってくるな。
演習場に国旗がないから、そのような勘違をする。
また、演習開始前と演習の合間に、軍楽隊が演奏をする。
しかしその演奏する曲は、アメリカとかイギリスとかオーストラリアとかのマーチばかりではないか。
来年は、中国共産党のマーチでも演奏するのか。
何故、明治以来歌い続けられた「我が軍歌」を演奏しないのか。本演習が陸海空統合作戦を想定しているのなら、
日本最初の洋式軍歌である「抜刀隊」そして「軍艦マーチ」さらに「空の神兵」また「加藤隼戦闘隊」を何故演奏しない。
アメリカやイギリスを防衛する為の演習ではなく、
我が日本を護るための演習における演奏ではないか。
以前は、東富士演習場に国旗が掲げられていた。
しかし、民主党政権になってから国旗は皆無になった。
その悪夢のような民主党政権が泡のように消えても、総合火力演習の東富士演習場に国旗無しが続いているということは、
防衛省内局の中枢部が「赤化」したままだということである。
これでは、全国各地の駐屯地で日々訓練を続ける隊員に申し訳が立たないではないか。
防衛省は、省内の民主党の残滓を粛正せよ。
前の集団的自衛権行使反対の論客にも、元防衛省幹部がいて盛んにマスコミで反対論をぶっていたが、
防衛省内局には中共の喜ぶ左翼がいる。
2、本演習に立ち会った防衛大臣そして内閣は、具体的な島嶼防衛を想定したこの演習から、内閣には次の任務があると自覚すべきである。
演習は、遙か南西方面洋上にある島を守る為に、空には偵察機や爆撃機を飛行させ、地上には降下した歩兵部隊と戦車や重砲を展開させることを想定し、最後は、歩兵とともに戦車部隊とヘリコプター部隊が島の奥に立て籠もる敵目がけて進撃する。
そこで、防衛大臣と内閣は、島嶼防衛の為のこの演習が実は架空のものであることを実感すべきである。
そして、断じて架空のままで放置してはならず、近い将来それを現実に実行できるようにしなければならないと決意すべきである。
現在、戦車と重砲を速やかに離島に陸揚げする手段がない。
また歩兵部隊を速やかに離島に降下させる輸送力が不足している。さらに戦闘機や爆撃機の離島上空での滞空時間が短い。
よって、我が国は、
速やかに強襲揚陸艦を保有しなければならない。
速やかにオスプレイクラスのヘリを保有しなければならない。
速やかに宮古・石垣の先島に航空基地をもたねばならない。
このことを実現するのが、
昨日の演習に立ち会った防衛大臣と内閣の責務である。
「観客」に手を振って入場し手を振って帰っただけで、
仕事は済んだと、ゆめゆめ思うことなかれ。