常軌を逸した「沖縄タイムス」「琉球新報」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 

【沖縄が危ない】常軌を逸した県紙の報道 普天間県内移設で反対一色

ZAKZAK 夕刊フジ


米軍普天間飛行場


沖縄県知事選(10月30日告示、11月16日投開票)まで、3カ月に迫った。最大の争点は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題で、昨年12月に県内移設を承認した現職の仲井真弘多知事(74)に対し、移設反対派は那覇市長の翁長雄志氏(63)を擁立した。元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(52)も出馬表明している。

 政府は、普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設計画を進めているが、沖縄の県紙「沖縄タイムス」「琉球新報」は連日、反対する論陣を張っており「事実上、翁長氏寄りの報道だ」との批判も出ている。

 現に2紙は、県内移設をあたかも犯罪と同一視するような論調で、批判報道を展開している。

 仲井真氏が昨年12月、移設に向けた埋め立てを承認した際には、琉球新報は1面に「即刻辞職し信を問え 民意に背く歴史的汚点」と題した社説を掲載した。沖縄タイムスは見開きで50人以上もの「県民の声」を顔写真入りで載せ、何と全員が県内移設反対の意見というありさまだった。

 県内移設に賛成する県民も存在するのだから、公器である新聞の「公正・中立」という観点からすれば、2紙の報道は常軌を逸している。結果的に、翁長氏に正義があるというイメージを県民に与えてしまう。

 県紙の記者にその点を聞くと、「県民が支持しているからこそ、沖縄ではこうした論調の新聞だけが生き残った」と答える。しかし、世論があってマスコミがあるのか、マスコミが世論を作っているのか、現状では正直なところ分からない。

知事選報道で、県紙が「翁長氏寄り」と言われる理由は、普天間飛行場移設問題の報道だけではない。

 翁長氏は現在、那覇市が目抜き通りで建設を計画している「龍柱」(龍の形をした柱)をめぐり、保守系の市民らから厳しい批判を浴びている。建設の財源は国から支給される一括交付金2億5000万円だが、市は中国に発注する方針なのだ。

 ある県議は「県内に発注すれば安く、雇用創出にもなるのに、なぜ中国なのか。ずっと指摘してきたが、翁長氏に対する批判記事は新聞にほとんど載らない」と不満をぶつけた。

 自民党の世論調査では、翁長氏が優勢だという。県紙の紙面づくりを見ていると、報道がそうしたムードづくりに一役買っている印象は否めない。

 ただし、日本は民主主義国家であり、報道への抑圧は許されない。沖縄県知事選で問われているのは報道の在り方ではなく、県民が報道から得られる情報をどう取捨選択するかという、有権者としての成熟度だろう。

 ■仲新城誠(なかあらしろ・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に石垣島を拠点する地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。同県の大手メディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に「国境の島の『反日』教科書キャンペーン」(産経新聞出版)など。