天皇陛下の傘寿を祝う、皇后陛下主催の「日本の民俗芸能」に臨席された天皇、皇后両陛下と皇太子同妃両殿下はじめ皇族方。両陛下のお孫さま4方、高円宮妃久子殿下のお子さま3方もご覧になった=13日午前、皇居・桃華楽堂(松本健吾撮影)
天皇陛下が昨年12月に80歳の傘寿を迎えられてからさまざまな形で続く祝賀行事。13日に皇居・桃華楽堂で開かれた公演「日本の民俗芸能」は、主催された皇后さまの陛下への温かいお心が感じられるものだった。
各地の保存会などが繰り広げたのは、舞踊や唄など8演目。船をこぐ櫂(かい)や網を使って豪快に踊る北海道の「江差沖揚(えさしおきあげ)音頭」で幕開けし、「津軽三味線」(青森県)、「会津磐梯山(ばんだいさん)」(福島県)、「佐渡おけさ」(新潟県)、「津和野弥栄(やさか)神社の鷺(さぎ)舞」(島根県)、「阿波おどり」(徳島県)、「正調五木の子守唄(うた)」(熊本県)と続き、「安里屋(あさどや)ユンタとカチャーシー」(沖縄県)で締めくくられた。
法被(はっぴ)や着流し、鐘や横笛、盆踊りや神事-など、各地の多様な文化があふれ、まるで日本列島を北から南へ旅しているかのような舞台に。陛下は、隣に座られた皇后さまと楽しそうに話しながら、大きな拍手を送られた。
公演は、両陛下のお孫さまや、高円宮妃久子さまのお子さまが報道陣の前にそろって姿を見せられた貴重な場ともなった。皇太子ご夫妻の長女の敬宮(としのみや)愛子さまと秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さま、次女の佳子さまと長男の悠仁(ひさひと)さまが、お二方ずつで1冊のプログラムを見ながら仲良く話すお姿もうかがえた。
両陛下は16日、今年2、3月のソチ冬季五輪・パラリンピックの入賞選手ら計約90人を招いた茶会を皇居・宮殿「春秋の間」で催された。両陛下は出席者の間を自ら回って活躍をねぎらわれ、歓談は約50分間に及んだ。
五輪フィギュアスケートの羽生結弦(はにゅう・ゆづる)選手(19)が、春の園遊会では持参できなかった金メダルを首からはずし、陛下に渡す場面もあった。陛下は手に取って「重たいですね」と話されたといい、羽生選手は茶会後、報道陣に「本当にもう(メダルを)拭けないです」と笑顔で話していた。
皇太子さまから「得意なジャンプはなんですか」とご質問を受けたという羽生選手。「アクセルジャンプが好きで得意です」と答えたが、羽生選手によると、このご質問は、愛子さまが皇太子さまに託されたものだったという。
パラリンピックにも心を寄せられている両陛下はじめ皇族方。2種目で金メダルを獲得したアルペンスキー座位の狩野亮(かのう・あきら)選手(28)によると、各選手が競技用具の開発にもかかわることまでご存じの方も多く、「みなさんチェアスキーなどの障害者スポーツを知っていただいているなと感じた」という。
皇太子ご一家は15日、愛子さまの学習院女子中等科ご入学に伴い、東京都八王子市の武蔵陵墓地を訪れ、昭和天皇の武蔵野陵(むさしののみささぎ)と香淳皇后の武蔵野東陵(むさしののひがしのみささぎ)をご参拝。モーニング姿の皇太子さま、薄いグレーのお長服(ながふく)の雅子さまとともに、セーラー服姿の愛子さまが初めて参拝された。
秋篠宮妃紀子さまと眞子さまは16日、東京都の板橋区立美術館を訪れ、「2014イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」の入選作展を鑑賞された。
イタリア・ミラノを拠点に活躍し、若手のための特別賞を昨年受賞した刀根里衣さん(29)の展示コーナーでは、本人の案内で原画を見て回られた。紀子さまは「いろんな色が混ざっていてきれいですね」と声を掛けられ、眞子さまも「下地は何色なんですか」と熱心にお尋ねになっていた。
フランス訪問中の常陸宮ご夫妻は16日、パリで行われた第26回高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者発表会見に臨席された。