(23日・月/宮内庁発表分)
【午後】
両陛下 ご黙●(=示へんに寿の旧字体)《沖縄県慰霊の日に当たり》(皇居・御所)
両陛下 宮内庁総務課長から説明お受けに《沖縄県ご訪問について》(御所)
天皇、皇后両陛下は26、27日の日程で沖縄県を訪問される。戦時中の昭和19年に学童疎開船「対馬丸」が米軍に撃沈され、約1500人が犠牲となってから今年8月で70年となることから、多くの子供たちが戦争の犠牲となった悲劇を伝える「対馬丸記念館」(那覇市)を初めて訪れ、遺族や生存者から話を聞かれる。
沖縄から長崎に向かっていた対馬丸は昭和19年8月22日、鹿児島県のトカラ列島・悪石島沖で米潜水艦ボーフィン号の魚雷を受けて撃沈。犠牲者の半数が疎開学童だった。
先の大戦中、学童疎開を経験し、対馬丸が撃沈された当時は小学生だった両陛下は、同世代の疎開学童が乗っていた対馬丸の悲劇に強く心を寄せられてきた。
今回の沖縄ご訪問は、来年の戦後70年に向け、改めて平和へのお気持ちを示される新たな旅の始まりとなりそうだ。
両陛下の沖縄ご訪問は、即位後は5回目で、皇太子・同妃時代を含めると10回目となる。
両陛下は、戦後50年の「慰霊の旅」として平成7年に長崎、広島、沖縄と東京都慰霊堂を巡り、戦後60年の17年には米自治領サイパンを訪問されるなど、先の戦争と向かい合ってこられた。24年11月に「全国豊かな海づくり大会」のため沖縄を訪れた際には、宿泊先のホテルで出迎えた対馬丸の遺族らに慰めの言葉を掛けられている。
陛下は、海底に対馬丸の船体が確認されてから間もない9年12月の誕生日のご会見で、「私と同じ年代の多くの人々がその中に含まれており、本当に痛ましいことに感じています」と述べられている。
16年8月に開館した対馬丸記念館は、生存者の証言や犠牲者の遺品などを展示。以前から県などを通じて宮内庁側に両陛下のご訪問を要望していたという。
宮内庁によると、両陛下は26日、特別機で那覇市に入り、糸満市の国立沖縄戦没者墓苑で献花、拝礼される。27日には、「対馬丸記念館」訪問に先立ち、近くにある対馬丸の犠牲者らを弔う「小桜(こざくら)の塔」も初めて訪問し、供花される。