【皇室ウイークリー】(334) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 


第65回全国植樹祭臨席のため訪れた新潟県長岡市で、集まった人々に手を振られる天皇、皇后両陛下=1日(宮崎裕士撮影)




 天皇、皇后両陛下は5月31日から6月2日、第65回全国植樹祭の式典臨席などのため新潟県を訪ねられた。会場の長岡市は今年10月で中越地震(平成16年)から10年。自然災害に関心が深い両陛下は、復興ぶりや地震の教訓を伝える活動も熱心に視察された。

 両陛下は31日午後、上越新幹線で新潟県に入り、長岡市の馬高縄文館で泉田裕彦知事から、中越地震や中越沖地震(19年)からの復興状況の説明を聞かれた。泉田知事によると、陛下は「(中越地震から)もう10年ですよね」と感慨深げに話されたという。

 両陛下は6月1日午前、長岡市の多機能ホール「ハイブ長岡」で開かれた全国植樹祭の式典にご臨席。引き続き午後には、中越地震の震源地に近く、最大震度7を観測した旧川口町(同市川口)に移動、ブナやユキツバキなどの苗木を植えられた。「未来へつなぐ森の力~復興から創造へ~」がテーマとなった今回の植樹祭。会場の広場には、東日本大震災で県内に避難する被災者35人も招かれており、両陛下は参加者とともに中越地震と東日本大震災の犠牲者に黙祷(もくとう)をささげられた。

 両陛下は、小千谷市の「おぢや震災ミュージアムそなえ館」も訪れ、被災者の暮らしの変化を時系列で紹介する展示を視察された。当時2歳だった皆川優太君(12)が中越地震による土砂崩れに車ごと巻き込まれ、約92時間後に救出された現場の写真を見た陛下は「今はどうしていますか」と気遣われていた。



 両陛下は5日、皇居内の道場「済寧館(さいねいかん)」で、皇宮警察本部が開いた「天皇陛下傘寿奉祝武道大会」を観戦された。柔道と剣道では、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島各県警から招かれた選手が皇宮警察の選手と対戦する特別親善試合もあり、両陛下は真剣勝負に拍手を送られた。陛下は、選手らに「よい試合を見せてくれて、どうもありがとう」と声をかけられた。



 皇太子さまは1日、東京競馬場(東京都府中市)で開かれた「第81回日本ダービー」を観戦された。国内での競馬ご観戦は19年の日本ダービー以来、7年ぶり2度目。

 皇太子さまは、メーンスタンドの貴賓室ベランダで、約14万人の観客とともにファンファーレに手拍子を打ち、双眼鏡でご観戦。優勝した「ワンアンドオンリー」の横山典弘騎手(46)がウイニングラン後、帽子を取って一礼すると、皇太子さまは立ち上がって拍手で応えられた。

 実はこのレース結果、不思議な巡り合わせが4つも重なっていた。優勝馬と横山騎手、さらには馬主の前田幸治さん(65)が、皇太子さまのお誕生日と同じ2月23日生まれだったのだ。

 皇太子さまは日本中央競馬会(JRA)幹部に「世の中にはそういうこともあるんですね」と驚いた様子で話し、側近を通じ横山騎手へ「優勝おめでとうございます。私と誕生日が同じですね」と祝意を伝えられたという。



 秋篠宮妃紀子さまは2日、明治記念館(東京都港区)で、「第61回産経児童出版文化賞」の贈賞式に臨席された。大賞は点字絵本の「さわるめいろ」。著者の村山純子さん(57)や、協力した視覚障害者の岩田美津子さん(61)によると、紀子さまは懇談で「以前からこの本のことは存じ上げておりました」と話されたという。



「ヒゲの殿下」として親しまれ、24年に薨去(こうきょ)された寛仁(ともひと)親王殿下の例祭が命日の6日に行われた。三笠宮東邸(東京・元赤坂)での「霊舎祭」に続き、豊島岡墓地(東京都文京区)で墓所祭が営まれ、父の三笠宮さまをはじめとする皇族方が参列された。