「あたりまえのこと」を確認し表明した | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 



西村眞悟の時事通信より。



No.969 平成26年 5月17日(土)

 

 昨日は、安倍総理が自ら、集団的自衛権行使を表明をした。
 そして、この表明は、
 内閣総理大臣たる自衛隊最高指揮官としてのものである。
 よって、
 最高指揮官が、「行使する」と表明したことに意義がある。
 
 では、最高指揮官の「最高」とは何を以て言うのか。
 それは、彼が決断を示せば、
 その決断に優越するものはなく、
 その決断を制約するものはない、
 ということである。
 これが、
 内閣総理大臣たる最高指揮官の、
 何ものにも制約されない国家自衛権の発動である。
 あとは、国防に任ずる組織(自衛隊)による
 部隊編成、作戦立案、シミュレーション、
 ROE(ルール・オブ・エンゲージメント)等の作成と、
 陸海空の部隊による平素のドリル(訓練)の領域である。

 とはいえ、
 これから大真面目に始まるのは、与党内の議論と調整だ。
例の、このケースは(自衛権を)行使できる、このケースは行使できない、という議論。
 しかも、こういう議論を得意とする者々の大真面目な妙な目つき表情まで浮かんでくるではないか。
 しかし、この議論に関しては、既に結論を述べた。即ち、
 「馬鹿な大将敵より恐い」に加えて、
 「馬鹿な議論は敵より恐い」

 あたりまえではないか。
 試合前のボクサーが、
「僕は右からのフック、ストレート、アッパーは防御するが、家庭内の話し合いによって、左からのアッパーは防御しないことにします」とマイクで放送してからリングに上がったらどうなる。
 対戦相手は、対戦前から安心してリングに上がり、左からのアッパーを撃ち込んでくるではないか。
 
 しかし、しかし、である。
 現実には、相手が常識をもっているなら、次のように判断するだろう。
「あの放送は罠だ。俺に安心して左アッパーを打たせて、強烈なカウンターを撃ち込もうとする罠だ」
 然り。
 昨日の安倍総理の集団的自衛権行使表明に対して、中共が反発している。これは、中共が、これから始まる与党内の議論よりも、
安倍総理の「行使する」という表明を重視していることを示している。即ち、中共は、これから始まる議論は罠だ、それを信じて安心すればえらいことになる、と受け止めている。
 この中共の判断は、きわめて常識的である。
 これに対して、
 我が国の与党内の議論は、きわめて非常識である。

 よって、昨日の安倍総理の最高指揮官としての「自衛権行使表明」は実に重い意義がある。

 なお、マスコミは、この度の集団的自衛権行使を、憲法解釈の「変更」とか「改正」とか言っている。
 しかし、正確には「是正」もしくは「正常化」である。