皇后陛下と交流の詩人、まど・みちおさん死去に悲しみ。
遺族へ弔意ご伝達。
旭出学園工芸展で作品をご覧になる皇后陛下=3日、東京都中央区の日本橋三越本店
旭出学園工芸展で、作品の万華鏡をご覧になる皇后陛下=3日午前、東京都中央区の日本橋三越本店
天皇、皇后両陛下は7日、エストニアのイルベス大統領夫妻と皇居・御所で会見された。宮内庁によると、陛下は東日本大震災の際に受けた同国からの支援に謝意を示され、平成19年の両陛下の同国ご訪問も話題に上った。
陛下が、同国出身で昨年9月に引退した元大関把瑠都について「強い力士でした。日本語も話し、交流を増進されたことと思います」と話されると、大統領は元大関が今は母国で日本との交流に貢献していると応じたという。
エストニアのイルベス大統領夫妻と会見される天皇、皇后両陛下=7日午前、皇居・御所(代表撮影)
エストニアのイルベス大統領夫妻を見送りされる天皇、皇后両陛下=7日午前、皇居・御所(代表撮影)
皇后さまは3日、日本橋三越本店(東京都中央区)を訪れ、知的障害がある生徒たちの織物、陶芸などの作品展示会「旭出学園工芸展」をご覧になった。
旭出学園は東京都練馬区にある私立の特別支援学校で、昭和25年に東京・目白の徳川邸で発足した知的発達の遅れた子供たちの私塾的学園が始まり。京都守護職だった会津藩主・松平容保(かたもり)の孫、徳川正子さんが、自身のティアラを売却した資金で自宅敷地内に園舎を建設した。学園によると、当時は知的障害児の学校教育の場が少なく、長男に知的障害があった徳川さんは、研究の第一人者だった三木安正(やすまさ)・東大教授に創立を依頼したのだという。
皇后さまは、2年に1度開催される工芸展にたびたびお出ましになっている。「上手になられましたね」と話しながら出品作を見て回り、生徒に「きょうはありがとうございました」と声を掛けられた。作品は即売されており、染紙や万華鏡、イルカの箸置きなどを買い求められた。
宮内庁の山本信一郎次長は3日の定例記者会見で、皇后さまが、2月28日に104歳で亡くなった詩人、まど・みちおさんの遺族に弔意を伝えられたと明らかにした。皇后さまは、まどさんの詩の英訳を手掛けられており、侍従が1日、電話で長男の石田京(たかし)さんに伝達したという。
皇后さまのご翻訳は、まどさんの詩を世界に伝えようという日本国際児童図書評議会(JBBY)の依頼で始まった。JBBYが作品の英訳を皇后さまに依頼したのは、平成元年。皇后さまはその後、公務の合間を縫って、5年までに80編を翻訳された。これらの作品が海外の作家や編集者らに届けられ、日本人初となるまどさんの国際児童図書評議会(IBBY)「国際アンデルセン賞」作家賞受賞につながった。
皇后さまは、訳した詩を自ら読み上げて録音し、まどさんに送ってリズムを確認する作業を通じて交流を深められたという。アンデルセン賞の賞状伝達式が行われた6年12月のJBBYのイベントに皇后さまが出席し、「ヤマバト」などを英訳とともに朗読されたこともあった。
宮内庁は4日、皇太子さまがインフルエンザと診断されたと発表した。3日夕に38度台半ばの発熱やせきなどの症状があったが、7日に会見した小町恭士東宮大夫によると、5日には平熱に戻り、順調に回復されているという。
秋篠宮妃紀子さまと次女の佳子さまは7日、東京都世田谷区の世田谷文化生活情報センターで開催中の「窓花(まどはな)-中国の切り紙」展をご鑑賞。
同展は、中国・陝西省の黄土高原に暮らす人々が、正月飾りとして格子窓に貼る切り紙細工「窓花」を紹介。動物など、さまざまな細工をした切り紙や現地の暮らしを紹介する展示を見て回られた。佳子さまは切り紙に使う大型のはさみを見て「使いやすいんですか」とご質問。切り紙を作る体験もされ、指導した造形作家の下中菜穂さん(54)らによると、お二方とも大変お上手だったという。
「窓花-中国の切り紙 黄土高原・暮らしのフィールドワーク」展を鑑賞される秋篠宮妃紀子殿下と次女の佳子内親王殿下=7日午前、東京都世田谷区の世田谷文化生活情報センター(代表撮影)