【突破する日本】
執拗に日本をナチスと同一視する中国 同調する韓国と国内メディア
ZAKZAK 夕刊フジ日本人拉致を認めたことで北朝鮮に強い非難の目が向いていたころ、相対化するかのように、朝鮮学校の制服(チマチョゴリ)が切り裂かれる事件が相次いで起きた。犯人はいまだに特定されていない。
韓国が国を挙げて「反日」「侮日」を繰り返しているなか、わずか数百人の「ヘイト・スピーチ」のデモが東京・新大久保で起きた。これについて米国務省は2月27日、2013年版の人権報告書を公表し、懸念を表明したという。過剰な反応というしかない。
これらは、本来は被害者であるはずの日本を加害者に仕立て上げる機能を果たす。日本はいかに排外主義的で民族差別的であるかを強調できる。アンネ・フランク関連図書が破られた事件も同じ機能を果たしつつある。
現在の日本はむしろ被害者と言っていい。
中国は第1列島線の突破を当面の課題とし、日本の固有の領土である沖縄県・尖閣諸島を狙っている。それを阻止するためには日米同盟を強化する必要があり、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈の変更はその一環だ。軍国主義化し、他国を侵略しようとしているのは中国であって、日本は領土を守るための措置を講じようとしているだけだ。憲法改正も同様だ。
韓国との関係も、固有の領土でありながら、韓国に不法占拠されている島根県・竹島について、少なくとも公教育でしっかり教えていく方針を明確にしたのだ。
「強制連行」や「性奴隷」など実態とかけ離れ、いわれなき汚名を着せられることになった慰安婦問題について、歴史的事実に基づいて検証し、冤罪を晴らそうとしているだけだ。話は逆だ。
靖国神社への参拝は戦没者の慰霊・追悼であり、どの国の指導者も行う普遍的な行為だ。軍国主義とも無縁で、ましてナチスとは何の関係もない。
しかし、これらの安倍政権の動きに対し、近隣諸国、特に中国は執拗にナチスと同一視する。国際社会に喧伝する。韓国や朝日新聞など国内メディアも同調する。
そんな中で、アンネ・フランク関連書籍が破られる事件が発生した。現在の日本が、いかに排外主義的雰囲気を有しているかを象徴させることができる事件だ。
安倍政権を潰したい近隣諸国や国内勢力にとって、こんな都合のよいものはない。というより、あまりに出来過ぎであり、一部では「日本を貶めるための国際的謀略」という見方さえある。捜査当局には総力を挙げて、犯人を早期に特定してほしい。
■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早大法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。国家、教育、歴史などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開。第2回正論新風賞受賞。現在、高崎経済大学教授、安倍内閣が設置した教育再生実行会議委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。著書に「国民の思想」(産経新聞社)、「日本を愛する者が自覚すべきこと」(PHP研究所)など多数。