皇后陛下のご養蚕の様子、パリで紹介。
「ばあば」から眞子内親王殿下へのお気持ち伝わる手紙の内容は…。
サウジアラビアのサルマン皇太子と会見される天皇陛下=19日、皇居・宮殿「竹の間」
天皇陛下は19日、公賓として来日したサウジアラビアのサルマン皇太子と、皇居・宮殿「竹の間」で会見された。
宮内庁によると、陛下は昭和56年の皇太子時代の同国訪問を「懐かしく思い出します」と話された。歴史好きというサルマン皇太子は「日本の戦後復興はまさに世界のかがみ」と語り、陛下は「日本の人々がよくやって復興いたしました」と応じられた。
続いて陛下はサルマン皇太子と、皇太子さま、常陸宮さまを交え昼食をともにされた。安倍晋三首相らも同席した。同国は聖地メッカがあるイスラム教国。豚肉やアルコールを含む食材は禁じられ、他の肉でもイスラムの教えに基づき処理したことを示す「ハラール」認証を得ていなければならない。宮内庁も同認証付き食材を使い、コンソメスープや牛フィレ肉のあぶり焼き、真鯛のムニエルなどフランス料理でもてなした。
「難民を助ける会創立35周年記念チャリティコンサート」の鑑賞に臨席された皇后陛下=17日夜、東京都港区のサントリーホール
皇后さまは17日、東京都港区のサントリーホールで開かれた「難民を助ける会創立35周年記念チャリティコンサート」で、中村紘子さんが奏でるベートーベンのピアノ協奏曲「皇帝」を鑑賞された。
NPO法人「難民を助ける会」は災害や紛争による難民の支援などを続けており、今回の収益は地雷や不発弾の対策に充てられる。宮内庁によると、皇后さまは設立者の相馬雪香さんと親交があった。これまでにコンサートを12回鑑賞されている。
14日深夜から15日未明にかけて再び大雪に見舞われた関東甲信地方。都内でも除雪が進まず、皇后さまは15日、予定されていたコンサートへのお出ましをとりやめられた。
宮内庁などが企画し、皇后さまのご養蚕などを紹介する展覧会「蚕-皇室のご養蚕と古代裂・日仏絹の交流」が19日、フランスのパリ日本文化会館で始まった。
皇后さまが代々の皇后から引き継ぎ、皇居で携わっておられる養蚕の様子を紹介するほか、天皇陛下が幼少時にお召しになった振り袖や、皇后さまのイブニングドレスなどが初めて展示されている。
昭和13年5月5日に行われた「着袴(ちゃっこ)の儀」にあたって、昭和天皇、香淳皇后から贈られた「落瀧津文様御服(おちたきつもんようのおんふく)」(振り袖)をお召しになった天皇陛下(宮内庁提供)
秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁(ひさひと)さまがお宮参りに当たる宮中祭祀で着用された産着「お初召(うぶめし)」も初公開。皇后さまが育てられた日本原産の蚕「小石丸」の生糸で織られ、平成18年11月、悠仁さまが皇居の宮中三殿を参拝される際の衣装として両陛下から贈られた。
展覧会の図録には、皇后さまから秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまへのお手紙が紹介されている。眞子さまが学習院初等科3年生の時、お年寄りの世代がかつて行っていた手仕事について調べる宿題で、皇后さまのご養蚕についてお尋ねになったのに対し、皇后さまがつづられたものだ。皇后さまは「眞子ちゃん」と呼びかけ、ご自身は「ばあば」と表現されている。
皇后さまは「今はばあばが養蚕(ようさん)のお仕事をしていますが、このお仕事は、眞子ちゃんのおじじ様のひいおばば様の昭憲(しょうけん)皇太后(こうたいごう)様、おばば様の貞明(ていめい)皇后(こうごう)様、そしてお母様でいらっしゃる香淳(こうじゅん)皇后(こうごう)様と、明治(めいじ)、大正(たいしょう)、昭和(しょうわ)という三つの時代をとおってばあばにつたえられたお仕事です」と語りかけ、丁寧に作業の様子をご説明。難しい漢字には読みやすいよう仮名が振られるなど、皇后さまの優しいお気持ちがあふれている。
秋篠宮妃紀子さまと眞子さまは17日、憲政記念館(東京都千代田区)で開かれた「第36回聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会」にご臨席。紀子さまは手話を交えてあいさつし、初めて臨席された眞子さまとともに、東京都立中央ろう学校中学部生徒による「手話コーラス」などに拍手を送られた。