【産経抄】飛んで火にいる 2月14日
「日本海」の名付け親は、実は日本人ではない。18世紀の後半、フランスの軍人、ラペルーズが日本付近を探検し、作製した海図にすでに表記はあった。
▼以後、西欧社会では、日本海の呼称が定着していく。日本が韓国を併合した1910年より、はるか昔の出来事である。「日本海の名称は、日本の拡張主義や植民地支配の結果広められてきた」。この韓国政府の主張が、的外れであることは明らかだ。
▼にもかかわらず、米国の韓国系住民が多く住む州の議会で、韓国の主張する呼称「東海」の使用を求める法案が提出され、一部の州では可決されてしまった。米国内では新たな慰安婦像の設置計画もある。フランスでは、慰安婦をテーマに何の根拠もない日本軍の蛮行を描く、漫画の企画展が開かれたばかりだ。
▼何でも過去の植民地支配に結びつけ、日本を貶(おとし)める韓国の宣伝作戦が、着々と成果を挙げている。そんなさなか、村山富市元首相が韓国に招かれた。まさに、飛んで火に入るなんとやら、である。
▼元首相は、戦後50周年に当たる平成7年には、関係国に「謝罪」を乱発している。なかでも「植民地支配への心からのおわび」を表明した村山談話は、その後の日本外交の足かせになり続けた。今回の韓国での言動も、今後の反日キャンペーンに利用されるのは目に見えている。
▼国会で講演した元首相は、慰安婦募集の強制性を認めた河野談話について、こう述べた。「最近、不規則な発言をする者もいる。恥ずかしい限りだ」。河野談話がどれほどずさんな調査に基づいたものか、くわしく報じた小紙も含まれているらしい。韓国メディアは「不規則な発言」を「妄言」と訳しているという。元首相の発言こそ、ふさわしいのでは。