北方領土「私たちこそ積極的に」早期返還求め中学生が熱弁。
和歌山・新宮
産経ウェスト北方領土返還要求県民大会で発表した中学生ら=和歌山県新宮市
「北方領土の日」(7日)を前に、「北方領土返還要求県民大会」が5日、和歌山県新宮市の市職業訓練センターで開かれた。北海道大の木村汎名誉教授が北方領土をめぐる現状や課題について講演し、研修で北海道根室市を訪れた中学生による発表も行われた。集まった市民ら約300人は、熱心に耳を傾けながら領土問題についての理解を深めていた。
大会では、木村名誉教授が「プーチン訪日で領土問題は決着か-対ロ交渉の要諦」と題して講演。これまでの安倍首相とプーチン大統領との会談を評価し、「領土問題だけでなくエネルギーや医療、農業などの分野とパッケージで交渉していく姿勢が必要」と指摘した。さらに、領土問題はすぐに動き出すものではないとの見通しを示し、若い世代への関心の広がりが必要だと強調した。
また、同県古座川町立明神中学の生徒6人が、昨年夏に根室市で行われた「県民会議北方領土中学生現地研修」についてそれぞれ報告。「北方領土返還要求根室市民大会」に参加した様子や、同市の北方四島交流センター「ニ・ホ・ロ」で地元や他県の中学生らとの交流会についても発表された。生徒たちは「若い世代の私たちが北方四島の将来に大きく関係しており、積極的に参加し、人々に訴えかけていきたい」と感想を述べた。