【皇室ウイークリー】(312) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 


新年皇室行事に臨まれた女性皇族方、華やかなお召し物のお色は? 
佳子内親王殿下、19歳に。


「新年祝賀の儀」で衆院議長、参院議長や衆参両院議員らにあいさつされる天皇、皇后両陛下。女性皇族方は色とりどりの洋装で臨まれた=1月1日午前、皇居・宮殿「松の間」


慌ただしい年末が過ぎ、新年を迎えて人々の多くが正月休みとなる中、皇室では、さまざまな行事や宮中祭祀(さいし)がめじろ押しで続く。

 天皇陛下は12月31日午後、皇居・宮殿で「節折(よおり)の儀」に臨まれた。陛下ご自身のために行われるお祓(はら)いの儀式で、1年の折り返しにあたる6月30日と、大みそかに行われる。

 元日も、陛下は初日の出が昇る前の午前5時半から、お住まいの御所で「四方拝(しほうはい)」に臨まれた。伊勢神宮、神武天皇や昭和天皇の陵、四方の神々を遙拝(ようはい)し、年初に国の安寧や国民の幸せを祈られる。代々の天皇が自ら行ってきており、天皇が行えない場合は儀式自体が中止となるほど重要なもの。宮中三殿に付属する神嘉殿(しんかでん)の前庭(ぜんてい)で行っていたが、ご負担を考慮し平成24年から御所で行われている。

 続く三殿での「歳旦祭(さいたんさい)」にはお出ましにならず、祭祀に携わる掌典次長が代拝し、皇太子さまが拝礼された。

 両陛下は午前10時から宮殿で、皇族方や、安倍晋三首相ら三権の長らからあいさつを受ける「新年祝賀の儀」に臨まれた。単なる新年あいさつではなく国事行為で、陛下や皇族方は勲章を、女性皇族方は美しいティアラも着用し、正装される。陛下は最高位の大勲位菊花章頸飾(けいしょく)(首飾り)など4点の勲章をご着用。皇后さまは頸椎(けいつい)症性神経根症の症状を考慮し、重みのあるティアラは昨年に続いて着用しなかったが、肩から掛ける宝冠大綬章は身に着けられた。

午前中の出席者は首相ら内閣関係者、国会議員など計500人近くに上り、両陛下や皇族方は宮殿内の「松の間」「梅の間」「竹の間」を行き来してあいさつを受けられた。

 午後に「松の間」で行われた外国大使らの祝賀の儀には、計132の国や機関からさまざまな民族衣装姿の人々が集まった。1カ国ずつ入室し、両陛下は何度も会釈をされるため、ご負担も考慮し、10分間の途中休憩が入った。

 皇族方からの祝賀の儀にはご療養中の皇太子妃雅子さまや、皇室最高齢の98歳の三笠宮さまもお出ましになった。

 2日は一般参賀があり、両陛下は例年同様計5回、宮殿「長和殿(ちょうわでん)」のベランダで手を振られた。初回は三笠宮さまと、左大腿(だいたい)骨骨折で昨年8月に手術を受けた三笠宮妃百合子さまも立ち、お元気に手を振られた。同12月に一時入院した三笠宮家の彬子さまも2回目までお出ましになった。

 宮内庁は、女性皇族方がお召しになった「お長服」と呼ばれるドレスの色などを発表した。それによると、皇后さまは「淡い青磁色」、雅子さまは「ブルー」、秋篠宮妃紀子さまは「若草色」、紀子さまの長女の眞子さまは「クリーム色」。常陸宮妃華子さまは「グリーンのレース」、百合子さまは「グリーン」、彬子さまは「サーモンピンク色」、高円宮妃久子さまは「藤色」、久子さまの長女の承子さまは「薄ピンク色」、次女の典子さまは「ブルーグリーン色」-だった。

香淳皇后の弟で天皇陛下と常陸宮さまの叔父にあたる、青蓮院(しょうれんいん)(京都市)門跡名誉門主の東伏見慈洽(ひがしふしみ・じごう)氏が1日に103歳で死去したのを受け、常陸宮さまが7日まで喪に服すことになり、一般参賀お出ましを取りやめられた。

 宮内庁によると、両陛下は京都訪問の際に京都御所に招いたり、平成20年に青蓮院をお見舞いしたりしたこともあり「深くお慎みになっている」(側近)といい、皇族ではないため喪には服さないものの、一般参賀の合間の皇族方との歓談や昼餐を控えられた。陛下は神事も7日間控える意向を示し、3日の元始祭(げんしさい)への両陛下お出ましはお取りやめに。掌典長が代拝した。

 秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは12月29日、19歳の誕生日を迎えられた。この日は御所を訪れて、両陛下にあいさつをされた。

 昨年は、春に学習院大文学部教育学科に入学された佳子さま。8~9月には米国でホームステイし約1カ月間、初めてお一人での海外生活を経験された。ホームステイ中は、秋篠宮ご夫妻の知人であるマサチューセッツ州のハーバード大教員夫婦宅にご滞在。同大やボストン美術館などに赴いたほか、ホストファミリーとともに、ロッキー山脈などがあるコロラド州も旅行された。雄大な自然の中でハイキングやサイクリングを楽しんだといい、帰国時には成田空港で「楽しかったです」と笑顔を見せられた。

佳子さまは今年12月には、成年皇族となられる。宮内庁はこれに備え昨年、女性の成年皇族が洋装正装時に着用されるティアラの制作業者を初めて公募した。コンペの結果、5社の中から東京・銀座の宝飾大手「ミキモト」に決まり、制作されている。

 初めて出席することになる来年元日の新年祝賀の儀では、真新しいティアラを着用してお出ましになる見込みだ。また翌2日の新年一般参賀にも、初めて立たれることになる。