天皇皇后両陛下ご動静。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 


天皇陛下の80歳の誕生日を祝う一般参賀の人たちに手を振られる天皇、皇后両陛下=23日午前、皇居・宮殿(三尾郁恵撮影)

(23日・月・天皇誕生日/宮内庁発表分)

【午前】

 両陛下 祝賀およびお祝酒《侍従長はじめ侍従職職員》(皇居・御所)

 陛下 祝賀《宮内庁長官はじめ課長相当以上の者、参与および御用掛》(皇居・宮殿)

 皇后陛下 祝賀《宮内庁長官、次長(職員総代)、参与》(同)

 両陛下 一般参賀《1回目》(同)

 陛下 祝賀の儀《皇太子同妃両殿下はじめ皇族方》(同)

 皇后陛下 祝賀《皇太子同妃両殿下はじめ皇族方》(同)

 両陛下 お祝酒《皇太子同妃両殿下はじめ皇族方、元皇族、ご親族》(同)

 両陛下 一般参賀《2回目》(同)

 陛下 祝賀《宮内庁職員および皇宮警察本部職員》(同)

 陛下 祝賀《旧奉仕者会会員》(同)

 両陛下 一般参賀《3回目》(同)

 陛下 祝賀《堂上会総代》(同)

 【午後】

 陛下 祝賀の儀《首相、衆院議長、参院議長、最高裁長官》(宮殿)

 両陛下 宴会の儀《首相ら》(同)

 両陛下 茶会の儀《各国の外交使節団の長ら》(同)

 両陛下 茶会《元宮内庁長官、元参与、元側近奉仕者、元御用掛、松栄会会員ら》(同)

 両陛下 茶会《ご進講者ら関係者》(御所)

 【夜】

 両陛下 祝賀《敬宮愛子内親王殿下、佳子内親王殿下、悠仁親王殿下》(御所)

 両陛下 お祝御膳《皇太子同妃両殿下、秋篠宮同妃両殿下、黒田慶樹さん・清子さんご夫妻》(同)


23日の一般参賀には、天皇陛下の80歳の「傘寿(さんじゅ)」のお誕生日をお祝いしようと、平成で2番目に多い人々が皇居を訪れた。高齢者から若者、子供連れ、さらには外国人の姿もあり、お元気で迎えられた節目に大勢が駆け付けた。

 東京都心はこの日朝、最低気温4・4度まで冷え込んだ。皇居前には早朝から行列ができ始め、午前9時半ごろに正門が開くと、参賀者の列は侍従や警察の先導で二重橋を渡り、宮殿東庭へ向かった。

 両陛下がベランダに姿を見せられると、日の丸の小旗が一斉に大きく揺れた。曇り空で寒風も吹いたが、ご結婚50周年とご即位20周年記念式典開催が重なり晴天だった21年に次ぐ参賀者が詰めかけた。

 10年前からほぼ毎年、天皇誕生日の一般参賀に訪れるという名古屋市の奥田洋子さん(70)は友人と夜行列車で駆けつけ、午前6時から並んだ。「手術などを経て80歳を迎えられても、とてもしっかりとしたお声で話してくださり、安心した。私たちも励みになります」と笑顔を見せた。

 長野県伊那市から夜行バスで上京した大学生、佐々木知徳さん(18)は「福島などの被災者への配慮など、国民のことを思われる深いお言葉だった」と振り返った。「陛下はすごくすてきなお姿だった」と感激していたのは、米国人の会社員、クリスチャン・トレイラーさん(25)=東京都荒川区。「お元気そうで80歳とは思えない。初めて一般参賀に来たが、素晴らしかった」と話した。


80歳になられた天皇陛下は、現役の科学者としても活躍されている。ハゼ分類学者として、日本魚類学会会員のほか、世界的学術組織のロンドン・リンネ協会名誉会員などの肩書をお持ちで、共同研究者の一人は「海外研究者がしばしば話題にするほど愛されている」と語る。今も、忙しいご公務の合間を縫い、研究にいそしまれている。

 皇太子時代の昭和38年以降、魚類以外も含め計31編の論文を発表されている。

 「ご研究成果の一つは、いまやハゼ分類での常識」と語るのは、共同研究者の中坊徹次・京大総合博物館教授(64)。成果とは、新たな分類基準のご提示だ。

 陛下はハゼの一種「カワアナゴ」など250以上の個体の形態を丹念に調べあげ、頭部の突起状の感覚器官「孔器(こうき)」の配列規則が種によって明確に異なることをつきとめ、42年の論文で発表された。当初は疑問を呈する学者もいたが、50年代には普及したという。

 新種8種も報告された。どの種とも異なることの確認は膨大な作業が必要だ。「必ず、『標本を見てみましょう』と原点に返り、緻密に検証される。大変な記憶力をお持ちだが、それに頼られることがない」(中坊教授)

 新たな視点にも果敢に挑まれている。平成12年と20年にはDNA解析も取り入れたハゼ類の研究論文を、秋篠宮さまをはじめとする共同執筆者と発表された。

 共同執筆者の一人、国立遺伝学研究所の五條堀(ごじょうぼり)孝特任教授(62)は「最先端のゲノム研究も見据え、ご研究はさらに発展しておられる」と驚き、「目を輝かせて議論され、お会いしてから現在までほとんどお年を感じない」という。

 広がる研究へのご意欲に、関係者の期待も高まる。「陛下は今もみずみずしい好奇心をお持ちなので、今後も新たな発見をされるのではないか」。中坊教授はそう話している。