陛下、閣僚との懇談でも伊豆大島をお気遣い。
皇后陛下、「奇跡の一本松」で作ったコカリナの音色をご鑑賞。
安倍晋三首相(左)ら閣僚との午餐に臨まれた天皇陛下=19日、皇居・宮殿「連翠」
天皇陛下は16日、皇居・賢所(かしこどころ)で賢所御神楽(みかぐら)の儀に臨まれた。皇太子さま、秋篠宮ご夫妻と長女の眞子さま、常陸宮妃華子さま、三笠宮家の瑶子(ようこ)さま、高円宮妃久子さまと次女の典子さまも参列された。宮内庁掌典職(しょうてんしょく)によると、この祭祀(さいし)は、天照大神(あまてらすおおみかみ)をまつる賢所の前で、同庁楽部の楽師らが夕方から深夜まで神楽を奉納するもの。陛下や皇族方は神楽を前にご拝礼。神楽は、神だけが聴くのだという。
陛下と皇太子さまは19日、皇居・宮殿の小食堂「連翠(れんすい)」で安倍晋三首相や閣僚らとの午餐(ごさん)に臨まれた。この時期の恒例行事で、大臣と副大臣、宮内庁幹部らが出席した。
午餐に先立ち、陛下は「みなさんが日夜、国務に精励されてきたことをまことにご苦労に思います」とねぎらわれた。飲み物を持ちながらの懇談で、太田昭宏国土交通相と懇談した陛下は、伊豆大島の土石流災害に触れ、「大島もずいぶん珍しいのでしょう、あれだけの被害が出るのは」と気遣われた。
皇后さまは15日、東京都千代田区の日経ホールで「『奇跡の一本松コカリナ』が奏でるコンサート」を鑑賞された。コカリナとは、ハンガリー発祥の木製の小笛。コカリナ奏者の黒坂黒太郎さん(64)が岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」から作ったコカリナの演奏を聴くコンサートで、皇后さまは宮沢賢治作「星めぐりの歌」などの優しい音色に聴き入られた。アンコールで唱歌「故郷(ふるさと)」が合唱されると、観客とともに口ずさまれた。
終了後、黒坂さんらと懇談した皇后さまは「優しい音がしますね」と話されたという。黒坂さんが「奇跡の一本松」の枝から作製したコカリナ9本のうち2本を差し上げたところ、「私も練習します。陸前高田の人と一緒に演奏できたらいいですね」と喜ばれたという。
実は、皇后さまはコカリナに10年以上前に出会われている。黒坂さんが1998(平成10)年の長野冬季五輪の際、開催に伴う道路建設で伐採された木から作ったコカリナで子供らと演奏したことを皇后さまが知り、関心を持たれたのがきっかけという。黒坂さんは、皇后さまのコカリナ演奏のご練習に携わったこともあるという。
皇后さまは19日、港区のサントリー美術館で、平等院鳳凰堂(京都府宇治市)の修理が来春完成するのを記念した展覧会「天上の舞 飛天の美」をご鑑賞。国宝「阿弥陀如来坐像光背飛天」などをご覧になった。楽器を奏でる飛天を興味深げに見つめ、国宝「雲中供養菩薩像」の模刻像に特別に触れることができるコーナーでは、菩薩の脚などをそっとなでられた。
平等院鳳凰堂(京都府宇治市)修理の来春完成を記念した展覧会「天上の舞 飛天の美」を鑑賞される皇后陛下=19日、東京都港区のサントリー美術館
両陛下は同日夜、港区のサントリーホールで、読売日本交響楽団によるベートーベンの交響曲第9番の演奏会を鑑賞された。同楽団の名誉顧問、高円宮妃久子さまも同席された。
読売日本交響楽団「第九」特別演奏会で着席された天皇、皇后両陛下と高円宮妃久子殿下=19日、東京都港区のサントリーホール
皇太子ご夫妻の長女、敬宮(としのみや)愛子さまは14日、学習院初等科のバスケットボールのクラブ活動で、他校との親善試合に出場された。宮内庁東宮職によると、他校メンバーとの混合チームでの試合も含めて2試合で懸命にプレーし、他校と交流も深められたという。20日には初等科2学期の終業式があり、1月7日までの冬休みに入られたという。
宮内庁の施設で駐日外国大使夫妻らに伝統のカモ猟を紹介する行事が行われ、17日は埼玉鴨場(埼玉県越谷市)で秋篠宮ご夫妻が、19日は新浜鴨場(千葉県市川市)で三笠宮家の彬子(あきこ)さまと瑶子さまが接待役として参加された。
彬子さまは20日、32歳の誕生日を迎えられた。