救援からインフラ再建へ。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 


比台風3週間 自衛隊、救援からインフラ再建へ。

24日、フィリピン・セブ島北部のダンバンタヤンに設置された簡易ヘリポートで、自衛隊輸送ヘリの到着を見守る地元住民ら (早坂洋祐撮影)

 フィリピンを台風30号が襲ってから29日で3週間となった。甚大な被害を受けた被災地では食料や水の配給などの救援活動は一段落し、これからは電力の回復、仮設住宅の建設、農漁業など産業基盤の回復が大きな課題だ。過去最大規模の部隊を派遣した自衛隊に対し、被災者は生活基盤の整備を求めている。救援から「復旧・復興」へ。支援は第2段階に入った。  「自衛隊を含めて、これからは電柱、道路などのインフラの復旧や仮設住宅の建設に協力が得られると認識している」  被災地の救援に当たる国連幹部の一人は、産経新聞の取材に、自衛隊への期待をこう語った。  今回の災害で、米軍は海兵隊や空母をいち早く投入し、スピードと量を武器にした手厚い支援態勢を組んだ。その結果、米軍幹部は地元紙に「当初計画した救援活動はほぼ終了した」との見方を示した。  一方の自衛隊も活動の開始時期は米軍よりも遅かったとはいえ、集落への訪問医療や避難所の防疫などといった「他国も行わず、手が回っていなかった支援」(フィリピン軍幹部)で存在感を示しつつある。  ただ、時間の経過とともに、求められる支援は変化している。今は「(家の)屋根と電気がほしい」というのが被災者の切なる願いだ。そのため、フィリピン政府幹部は、食料など救援物資に充ててきた被災者向け資金を職業支援などに振り向ける方針を表明。仮設住宅の建設や、道路や学校施設の再建も急ぐ方針だ。フィリピンの国家災害対策本部が29日発表した台風30号による死者数は5598人。住宅を失った被災者は同国中部を中心に1千カ所以上ある避難所に身を寄せ、避難者の総数は83万家族、381万人に上る。  「台風被害への対応で日本はアジアの大国としての責任を示している」(フィリピン大学のロンメル・バンラオイ教授)との評価に応えていくには復興を見据えて民間を含めた“オールジャパン”で中長期的に関与していく姿勢が必要だ。(フィリピン中部セブで 吉村英輝)