両陛下、福島県産のお米を昼食で召し上がる。
秋篠宮殿下、48歳に「だんだんと1年が早く感じられる」
天皇陛下は11月23日夜から24日未明にかけ、皇居・神嘉殿(しんかでん)で、宮中祭祀で最も重要とされる「新嘗祭(にいなめさい)」の儀式に臨まれた。新嘗祭は、新穀を神々に供えて感謝し、陛下自らも召し上がる祭典だ。皇太子さまも拝礼などに臨まれ、秋篠宮さまが参列された。
午後6時からの「夕(よい)の儀」と午後11時からの「暁(あかつき)の儀」がそれぞれ2時間行われるが、陛下はご健康に配慮し昨年に続き、それぞれ30分ずつのお出ましとされた。
昭和天皇は69歳の時から暁の儀へのお出ましをとりやめていたため、宮内庁は陛下に同様の対応を勧めたこともあったが、陛下の強いご意向から両儀式に臨まれている。
気象庁の観測では、今年の儀式の時間帯、東京都心の気温は10度を切るときもあったが、陛下は予定通りお出ましに。儀式では、皇居内で陛下が自ら植えて収穫された新穀も使われた。
天皇、皇后両陛下は30日からのインド公式訪問を目前にしたこの週、最終的な準備を進められた。 陛下は29日に皇居・御所で、皇太子さまに、訪問中の国事行為を委任する内容の勅書の伝達をされた。両陛下のインド公式ご訪問は皇太子・同妃時代の昭和35年以来。昭和天皇の名代としてのご訪問だったが、これは当時、憲法に基づく国事行為について天皇の不在時を想定した法律がなく、昭和天皇が日本を離れられなかったためだ。昭和39年に「国事行為の臨時代行に関する法律」ができ、初めて天皇が海外に出られるようになったという経緯がある。
東京電力福島第1原発事故後、福島県広野町で初めて収穫され、宮内庁を含む各省庁の職員食堂に提供された新米の一部が26日、天皇陛下のご希望でお住まいの皇居・御所にも届けられた。側近によると、両陛下は28日、昼食で召し上がったという。
皇太子さまは24日、東京・日比谷の日生劇場で、開場50周年記念公演オペラ「フィデリオ」を鑑賞された。宮内庁東宮職によると、昭和45年、皇太子さまが10歳の時に初めてオペラを鑑賞されたのが同劇場。当時は三笠宮ご夫妻、高松宮ご夫妻とご一緒で、演目はワーグナー作「ローエングリン」だったという。
皇太子さまは25日、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館を訪れ、企画展示「中世の古文書-機能と形-」で後醍醐天皇や源義経の自筆文書、一揆の参加者を連名で記した文書などを鑑賞された。大学院で日本中世史を研究するなど歴史に造詣の深い皇太子さまは、古文書のさまざまな様式や文字の書き方、紙の素材に注目し「原本を見ると面白いですね」と話された。
秋篠宮さまは30日、48歳の誕生日を迎えられた。これに先だって秋篠宮妃紀子さまと記者会見に臨まれた。この1年を振り返り、「だんだんと1年が経過するのが早く感じられるようになってきました」と話した上で、印象に残ったこととして、岩手県で東日本大震災によって被災した文化財の保全事業を視察したことなどを挙げられた。
紀子さまは、今春、お茶の水女子大学付属小学校に入学された長男、悠仁さまの様子について、「給食はとても楽しみにしているようで、毎日残さずおいしくいただいているようです」と述べ、学校の休み時間などには鬼ごっこや縄跳びを元気にされているエピソードも紹介された。
常陸宮さまは28日、78歳の誕生日を迎えられた。これに先立つ24~26日には常陸宮妃華子さまと滋賀県をご訪問。ご自身が総裁を務める公益社団法人「発明協会」などが主催する「全国少年少女発明クラブ創作展」をご覧になった。